こちらのレストランは4〜5年前くらいでしょうか、通りがかりに見かけて気になっていました。

 

わりと大箱で、駅からも近いのですが、そして通りに面しているのに

あまり賑わっている様子もなく、パッとしないのです。

 

そもそもビル全体が暗い気がします。

(閉まっている時に撮ったので、明かりも入っていなくて暗いです。)

 

位置的にはきゅりあんの北側、ヨドバシカメラの脇から階段を降りるとすぐに見つかります。

 

今年の6月に、やはりずっと気になっていた大井町のフランス料理店に行こうとしたら

ランチは臨時休業で、こちらにきてみたら16時から営業ということだったので諦めました。

 

そして今月、渋谷の美容院の予約が15時にしか撮れなかったので

その前にと13時に行ってみました。

 

お店は開いていましたが、1人お客さんがいるだけでした。

最も混みそうな時間帯は避けているので、どの程度ランチタイムに混んでいるのかわかりませんが

13時ちょうどでその状態では、ピーク時でもそう混んでいないのかなと思いました。

 

 

流石に営業時間に来ると、それなりに明るいです。

 

見えづらいかもしれませんが、メニューも意外にありそうでないものが多いです。

 

上段から、プリンアラモードはよくありますが、クープジャックとか、バナナスプリットって意外に見つからないです。

 

昔あったハンバーガーチェーン店の「デイリークイーン」には

バナナスプリットがあったと記憶しています。

 

けど、クープジャックはほとんど見たことがないです。

 

 

上から2段目右端の「トルヴィル」とかは、聞いたことがないです。

 

上から3段目の「スイス風ハンバーグ」は、ハンバーグをベーコンか豚肉で巻いたもののようです。

 

下段左端の「チキンミラネーズ」は、食品サンプルからではうかがい知れません(笑)

 

 

お店の裏側のショーケースには「オペラ」というレアメニューが見つかります。

 

内容はよくわかりませんが、ビーフシチューの上に目玉焼きとホワイトアスパラガスがのっているようです。

 

パリのオペラ座の近くのお店で流行っていたメニューなのかな、と勝手に思えて来ます。

オペラを見た帰りにこれを食べるのがツウだった、みたいな逸話があったのかもしれません。

 

あと、「カニサラダ」というのも少し高級感があるので、普段よりはすこしよそ行きのメニューを出しているのかな、とも思えます。

 

ですが、ここでは奇を衒わず、一番普通なメニュー、ハンバーグを頼むことにします。

 

普通なメニューでこそ、そのレストランのポジションというものがわかります。

 

 

ポテトサラダはどこかで食べた味で、たぶん業務用の何かなのでしょう。

 

でも、ハンバーグはちゃんとお店のオリジナルの味です。

 

ひき肉の臭みなどもなく、材料も新しそうでムネ焼けしない感じです。

柔らかいけれど家庭的な味ではなく、適度な肉肉しさがあり、プロっぽい絶妙な味です。

 

ちゃんとナツメグの香りがし、クローブもちょうどいい量で香りが立っています。

 

定食屋の味ではなく、「レストラン」というくくりの味だと思います。

 

そしてアイスコーヒーがぴったりです。

 

 

ここで、年配の女性客が一人で入って来ます。

 

「ガスパチョはないの?」という問いに

「今はないです」のような返答がされました。

 

厨房にいる男性が「2年前はあった」ようなことを話しているのが聞こえます。

厨房はワンオペで、フロア担当の女性が一人です。

 

「ガスパチョ」も意外と普通の店では出さないので、やはりそれなりに攻めなレストランであることがわかります。

 

ヨーロッパの香りを残そうとしたレストランであると言えるでしょう。

 

少し煤けてしまっていますが、掃除にはかなり手間取りそうなシャンデリアもあるのです。

 

 

さらに流れている曲は有線だと思いますが、よくホテルのフロアなどで流れていたようなイージーリスニングです。

有線を流す店は以前よりかなり減ったと思いますが、このムーディな曲がお店の雰囲気を決めています。

 

ホテルほど高級ではないけれど、定食屋のようなカジュアルな場所ではありません。

 

私はこのムーディーな音楽にやられやすいのです(笑)

 

 

先の女性はガスパチョの代わりにミネストローネを頼み、さらにビーフシチューのような汁物を取って、

「美味しかったです。ごちそうさまでした。」

と丁寧に挨拶して去っていきました。

 

最初は少し遠慮ない感じの人かと思いましたが、結構上品な雰囲気の人でした。

 

 

その少し後に入って来たのは親子連れで、お子さんは小学校低学年くらいのようでした。

昭和のレストランですが、若い人も入るようです。

 

ポジション的には、以前載せた新橋の「ロシュ」に近いところです。

ロシュもフランス語ですが、スイスの雰囲気を追い求めているのに対し、

こちらはプロバンスです。

 

やはり伊達にプロバンスを名乗ってはいないのです。

 

惜しむらくは、お店がどこか明るくないところです。

たとえばこのようなセロテープの跡とか(笑)

 

少し内装のメンテナンスに力を入れれば、客足も伸びるのでは。

 

 

造花というのもそれなり感を醸し出します。

伝票のロゴも可愛いし、ご愛嬌でしょうか。

 

たらこスパゲッティも美味しいんじゃないかと思うので、また来ようと思います。