今日のご紹介は、本当の純喫茶です。
昨日はずっと東慶寺に行くと決めていて、やっと行けました。
私が鎌倉に行くにしては、珍しい晴れの日でした。
ところが、やる事が押していて
なんと着いたのが閉門10分前でしたよ
これがほんとの駆け込み寺
近いからと侮っていて、危惧した通りになりましたよ
自宅を出て、ほぼ1時間ジャストで着きました。
自宅から最寄り駅までバスと徒歩で40〜45分かかりますから、私にとってかなり奇跡的な早さなのです(笑)
一応、神社仏閣には16時までに入ればいい。
出るのは16時過ぎていてもいい、と
以前寺に勤めていた時の師匠(和尚)からは聞いていましたので、大丈夫でしょう。
いまの時期、日も長いし
参拝者はこの時間なので少なめでしたが
それでも引きも切らない感じでした。
若い参拝者が多かったですね。
逆光でうまく撮れませんでしたが、
こんな近くに、それも駅近でこんな素敵なお寺があったんだ!
と、思わずにいられませんでした。
私の鎌倉行きのルートと言えば、北鎌倉駅を出て円覚寺、建長寺を通り、山越えして鶴岡八幡宮の裏手に出る、というものでした。
質実剛健な男性的なお寺を見ることが多かったです。
でも、東慶寺は尼寺だったこともあり、楚々として小ぢんまりした女性的なお寺です。
それでやはり、私は男性的な陽の力強さ、華やかさに目を奪われ続けていたんだなと思いました。
境内は敢えて撮影しませんでしたが
目に映る緑が瑞々しく
とても心地よく、寛げる雰囲気でした。
本堂に同時刻にお参りされていたのは、ほぼ同年代か私よりやや若めな女性でした。
相応の理由があってかな、とも思いました。
「寶蔵自開」
ほうぞうじかい、という書が掲げられています。
自分の中にある宝に気づきなさい、という意味です。
Tさんとは、最寄駅前のフリーマーケットで、私が出店して自分の絵を売っている時に出会いました。
この日、Tさんはこの書の写真を見せながら、「あんな地べたに並べて絵を売っちゃダメ!」と言ってくださいました。
「もったいない。もっとちゃんとしたお店や会場に飾らないと。」
フリーマーケットで売っていた時も、「こんなところで売ったらもったいない」と言ってくださったのですが、「まあそうしたいのはやまやまなんですが」といいながら、流してしまっていました。
そう言いながら、そのことばは忘れずに仕舞ってあったのですが。
「もっと自信を持って。必ず自分の中に宝はあるから、それを探して。」
会場で、重ねてTさんは言ってくださいました。
「寶蔵自開」、自分の尊厳に大きく関わることばです。
書自体は新しいものではないかと思いますが、
鎌倉に至る円覚寺〜建長寺を結ぶ男性的ルートの裏に、このような女性的なルートに沿って東慶寺があり、そこにこの書があるというのは、なかなか意味深いと感じられます。
そうしてこの書は、女性や裏に閉ざされたような者に力を与えて来たのではと思わずにいられません。
16時に閉門と書きましたが、売店は閉店しても入り口自体はまだ開いていて、後から入場される人もいました。
入り口の脇に上のような喫茶店もありますが、営業は16時で終了でした。
駅へ戻る道の途中にもいくつか飲食できるお店はありますが、16〜17時で終わるようです。
お寺の時間に合わせて、鎌倉は全体的に閉店時間が早く、遅くても18時にはかなりの店が閉まる傾向です。
それで、長いこと気になっていた
駅前の「門」という喫茶店に入りました。
営業は16時半までです。
こちらは昔、鎌倉にあった同名の「門」という喫茶店と姉妹店で、こちらが本店ということです。
鎌倉のお店の方が有名だったようですが、2013年6月末に、建物の老朽化で閉店されました。
設計者は同じ方だそうです。
両方とも個性的な近代的デザインで、似た感じでした。
チーズケーキとブレンドをお願いしました。
濃いめのブレンドに、やはり濃厚なチーズケーキがよく合います。
鎌倉のお店には2回しか行かなかったのですが、
やはり同じような濃い味わいで、これこれ!というような古き喫茶店の味です。
こちらは、私が鎌倉店を表紙にして作った薄い本です。
閉店したり移転、改装したお店の
ありし日の姿を集めたZINEです。
せっかく北鎌倉まで来たので、駅近辺を少しまわってみました。
実は鎌倉に来ると調子が悪くなり、2〜3ヵ月戻らないこともザラだったので、近くても足を運ばなくなっていました。
でも以前より、空気感はやや軽くなっていました。
ちらほら、素敵なお店も見られます。
一軒、「う〜ん、ここは」という暗さと古さのお店があり、カレーやビーフシチューなど、それなりに美味いのではと思えましたが、やはり入れなさそうな雰囲気でした。
昔はそういうところが好きで、よく入っていたのですが。
東慶寺で求めた品々もupしておきます。
観光客の外人さんに逆に親切にしていただき
心和むひとときでした。