この頃はスイーツの投稿ばかりで、もはや鞍替えした間すらありましたが、本日はコンサートのお知らせです。


この度、新型コロナウイルスなど情勢に鑑みて延期しておりました卒業公演を、2年越しで行うこととなりました。





今回は演奏曲目を全てロシア音楽(ロシア人作曲家の作品)に統一しています。

ロシア音楽というと、一番なじみ深いのはチャコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」や「白鳥の湖」でしょうか。民謡であれば「ともしび」や「走れトロイカ」も、世代によってはご存じの方も少なくないと思います。

曲名だけ見て分からなくても、実は様々なシーンでロシア音楽は使われています。例えば、JR東海のCM「今、ふたたびの奈良へ」ではアレクサンドル・ボロディンのオペラ「イーゴリ公」より「だったん人の踊り」。ソチ五輪で浅田真央選手が使った曲に、セルゲイ・ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」、映画やテレビのBGMではモデスト・ムソルグスキーの「展覧会の絵」など。

素朴でありながらも奥底から溢れるような輝きを持ち、

あるいは重厚さ、または羽のように柔らかで軽やかさを、

そして郷愁の切なさ、狂おしいほどの甘美さを、この国の作品たちは実に個性豊かで、常に私たちに新しい一面を感じさせてくれます。

 

今回の演奏曲目に関しては、恐らく一般的には知られていない作品が多いと思います。6年間のロシア生活の中で感じ得てきた、「ロシア」という国から醸し出される音楽の世界観、豊かな音楽的土壌と歴史の中で育まれてきた、ロシアの東洋的でもあり西洋的でもある独特な調べを、皆様に知っていただける機会になれば幸いです。

 

また、このブログを始めた理由の一つとして「記憶を記録に」という考えがあります。公演開催までの間、プロブラム解説などと一緒に留学時のエピソードなども少しずつ更新していくつもりです。ショックも苦しみもトラウマも、正直思い出したくないことも、喜びもたくさんの感謝も、忘れることのできない人々の優しさや温かさも、少しずつ、ただ素直に綴って、「私の歴史」として残そうと決めました。思考は言葉にしなければ、伝わらないし、残らないから。

世界情勢も、個人的なトラウマも、様々なことがありますが、それでも私はこの国の音楽を愛しています。芸術が発展する歴史には、しばしば政治的個人的問わず抑圧や苦しみが関与しています。むしろそういった制約の中で花開いていったものも多くあります。時には一時忘れ去られていたような作品も今日研究者たちや演奏家によって陽の目を浴びています。

音楽とは、芸術とは、歴史です。それがどんなものであれ。

 

これからも歴史の一部として音楽を残していくために、

これからも音楽を誰かに愛してもらえるように、

「私の歴史」で最期まで音楽と共に在れるように、

 

周りのたくさんの人たちのおかげで、今日この日まで私は歩んでこられた。

いっぱいの感謝も込めて、

そんな思いの詰まった公演です。

 

 

お席に限りがありますので、予約制とさせていただいております。

ホームページ「お問い合わせ」:https://chikasoprano.wixsite.com/ch16/blank-3

またはインスタグラム:chika_soprano DMにて受付しております。

ご予定の会う方、ご興味のある方いらっしゃいましたら、ご連絡お待ちしております。当日、会場でお会いしましょう。

 

 

岡田 知果