月に1回の研究会に参加させていただいている哲学者の早稲田大学の竹田青嗣教授のお薦めで、いま、ハンナ・アレント(Hanmah Arendt)の『人間の条件(The Human Conditions)』を読み始めている。
竹田先生は、ご自身の著書『人間の未来』の中でも、ハンナ・アレントの核になる考えについてこう評されている。
近代では、社会全体が、経済の論理に侵食され、社会から真の公共的空間が消失し、自由の条件が失われる。
そして、ご自身の言葉で、現代社会が直面している中心問題をこう切り出す。
現代社会の批判思想は、長く、反国家、反権力、反資本主義、反近代の観念を軸として展開してきた。しかし、いまやそれらは「無効」となっている。新しい根本的な批判の視点が必要となってきている。と。
そして、問いかける。「本当に自由な社会の実現にとって必要な条件は何か?」と。
そして、「地球環境問題」に触れながらこう総括している。
資源と環境の問題がもはや可視的な将来の危機として迫っており、我々は、こうした地球環境による「限界問題」を考慮にいれた形で、現在の資本主義システムに代わるシステムではなく、現代の資本主義の性格を変更する原理を見出すべきである、と。
たしかにいま我々が生きている社会は、大量消費と大量廃棄によってしか成立しないようになってしまっている。やがてその仕組みは「臨界域」に達する。しかし、資本主義は自由の確保の基礎であり、これを棄却できない。それを否定するのではなく、なんとか改善修正してゆくしかない。そしてその改善を、いよいよ待ったなしで、「地球環境問題」という「限界問題」が人類に回答を求めている。
この視座は、地球環境を我々人間社会の仕組みに「内部化」して、「地球目線」でいまの社会の仕組みをいかによりより持続可能なものにしてゆくかという徒然人の視座に共鳴するものがある。
じっくりと、ハンナ・アレントを読んでみたいと思う。
