幸運なことに偶然近所の映画館で、フランスの映画監督アルベール・ラモリスの傑作「白い馬」と「赤い風船(Le ballon rouge)」を先日の連休に見る機会に恵まれた。
「白い馬」は1953年にカンヌ国際映画祭のグランプリを、「赤い風船」は1956年にパルム・ドールを受賞しているが、この古典的な名作をなんと一挙に見る機会は至福の時であった。
「赤い風船」の、パリの20区のメニルモンタン(Ménilmontant)の石畳、下町情緒溢れる街角の風情、「白い馬」の、南仏のカマルグ地方の青い海と青い空(といってもモノクロ映画)を駆け抜けてゆく白い馬。
この2つの映画に共通している点は最後のシーン、「赤い風船」は、主人公の少年がたくさんの風船につかまって空のかなたに昇ってゆく、「白い馬」は、主人公の少年が白い馬に乗って海の向こうのかなたに消えてゆく、いずれも垂直と水平の違いはあれど、消えてゆくはかなさと悲しさと幻想的で静かな終焉がそこにある。そして不思議にそのシーンはが静かで美しいのである。
いまでも思い出すのは、「赤い風船」が少年の後をどこでもいつでもついてゆくシーン。紐をしっかりとにぎっていないくてもいつもそこに居る安心感。これって人間関係にも家族にも似ていて、人それぞれ赤い風船を持っているのだと思った。あの赤いい色は大事な愛の象徴であったのかもしれない。
【「白い馬」と「赤い風船」公式サイト】
