サブプライム問題の本質と何か。
一言でいうとそれは、「毒入り餃子」や「癌」に酷似している。
類似点のポイントは以下2つ。サブプライム問題の本質はまさにこの2点にある。
①「収奪貸付(predatory lending)」。
サブプライム問題の発端。その本質は、ようはだましである。貧しい人にだまして住宅資金を貸した。これは最初の毒を入れる発端であり原点。癌の発生原因である。オリジナルの「悪」の部分である。
②「証券化」。
ようは、その毒入り餃子を危険を開示しないまま世界にばら撒くシステムである。これを食べた世界中の会社・投資家がお腹を壊し尊い命を落としている。まさに癌の転移である。最初に発生した癌の何倍もの量に増殖してしまっている。「悪」を派生・増殖・伝播する部分なのである。
前者の「収奪貸付」は、2003年後半から2005年にかけて拡大した。背景は、米国での好景気と銀行間の競争激化。これにより、与信基準が大きく低下し、一大住宅ブームが沸き起こった。
サブプライム層とは、プライムでないそれより信用履歴の低い借り手の意味。つまり、所得が少ない、もしくは返済を遅延したことのある層である。
本来であれば貸さない相手に過度に貸し込んでしまったことが不幸の始まり。
なぜ貸せたか。信用履歴が低くても高い金利さえ支払えば、ローンを組むことが出来たのである。米国では、金融機関がリスクの大きい住宅ローンを推進した。
そのための巧妙なARM(注)におけるごまかしのからくりがあった。
後者の「証券化」はよくニュースでも説明があるので耳にした人も多いだろう。
本来貸し付けた金融機関は期日まで債権回収をするのが本業である。しかし、それを第3者に債券にして売る仕組みができてしまった。
そこには2つの問題があった。
1つは投資家。リスクを詳しくしらずに利回りが好いだけで投資した。そしてこのザマである。世界中の投資家がお腹を壊している。
もう1つは、貸出人のモラルハザードである。回収責任から開放されれば審査も甘くなるのは道理である。
結局当初の悪性腫瘍が世界中に蔓延してしまった最悪の事態である。
かように、サブプライム問題は「死に至る病」なのである。
(注)ARMとは、「annual percentage rate」の略。貸付金利だけではなく手数料も年率計算して上乗せした年率調達費用のこと。変動金利だが、当初数年間は低い固定金利が適用されることが多い。その中にI/Oがある。このI/Oは、「金利のみ=インタレスト・オンリー(interest only)」の略。当初は金利のみ支払い、数年後に元本の返済が始まる。そして両者の組み合わせ。当初、金利さえも支払わない。ただし、金利がかからない訳ではなく、その間は金利分だけ元本が増えていく。こうしたローンの多くは3年程度経つと返済額が急激に膨らむ仕組みとなっている。これはよく仕組みを理解できない貧しい人々にだまして貸し付けた「詐欺」なのである。そして、いま火を吹いている。住宅ブーム初期の2003年後半に住宅を購入した人が借りたローンがいよいよ返済不能のケースが出始めてきている。この問題は今後も悪化し続ける可能性が高い。 さらにリゾート地の住宅ローンがこの問題に輪をかけている。これは「住むためでなく運用のための住宅投資のためのローンである。コンドミニアムを完工前に転売。現地も見ずにインターネットで売買する。ひどいはなし。欲に目がくらんだ完全にマネーゲームである。信用履歴も低くない層が「審査が甘くて早い」という理由で、サブプライムローンを利用していた。かように、サブプライム問題は、低所得層の多い地域と高級リゾートという両極で発生したのが発端。