世界中をこれでもかと深刻な津波が襲ってきている。そして蒙昧とした不安が世界を被いつつある。


人はこの不幸な米国を震源地とするサブプライム問題が深刻な世界的な金融危機に発展した9月をブラックセプテンバー(暗黒の9月)と呼んだ。
しかし、この危機ははもはやブラックオータム(暗黒の秋)に拡大しつつある。そして、このままだとブラックウインター(暗黒の冬)まで継続しそうな気配がある。

どこが底だろうか。


いよいよ事態は「パラダイムシフト」に差し掛かっている。


人類は、いままでの来し方を抜本的に軌道修正しなかればならない時期に差し掛かっている。

数ヶ月前までは誰しもあのリーマンがまさか破綻するとは思わなかったであろう。



いわゆる金融市場には2種類ある。1つは、株式や債券、為替等の日ごろ我々が身近に触れている金融商品から構成されている部分と、世にデリバティブズと呼ばれている金融派生商品から構成されている部分からなっている。前者はリアルと結びついていて理解しやすいが、後者はリバレッジという魔術がかかっていて「仮想」の産物であり、俗に「エキゾチック」と呼ばれている魔物である。規模は前者が世界全体で60兆ドル、後者は驚くことにその10倍もの600兆ドルもの規模に膨れ上がっている。この後者のエキゾチック昔はなかった魔物である。

徒然人はいつもこの議論をしている時に、宮崎駿の「千と千尋」の「顔なし」を思い出す。「顔なし」は架空の存在で人間の限りない欲望を象徴した存在であり、まさに魔物である。果てしない欲望が「顔なし」の身体を肥大化させてゆく。まさに、この金融派生商品から構成されている600兆ドルもの規模に膨れ上がっている「エキゾチック」は、「顔なし」そのものである。


このクレジットクランチの津波の向こうに展望はあるのか。このままだと、アメリカのクレジットクランチが脆弱な実物経済をさらに弱体化させ、海外の景気悪化を誘発させ、それがまたアメリカの景気を悪化させるという悪循環が無限に続くであろう。


人間が愚かでないのであれば、人類の英知を結集して、このnever endingなマイナススパイラルを何とか断ち切らねばなるまい。



eco
(エコノミスト最新号の見出しは「次は何か?」である)