今日26日午前、福田首相が、スイスのダボスで開催されている世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で特別講演し、7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)の議長として、地球温暖化対策についてスピーチを行った。
その骨子は、先ほど観たNHK報道等、公表されたメデイア情報では、だいたい以下の通り。
①2020年までに世界のエネルギー利用効率を30%改善する(地球温暖化対策「クールアース推進構想」)を提唱。
②温室効果ガスの主要排出国すべてが参加する国際的枠組み(ポスト京都議定書)の構築に取り組む決意を表明。
③産業分野別の削減量を積み上げた「国別総量目標」の公平な設定を提唱。
④排出量増加が顕著な中国、インドの参加を促すため、1990年とされている温室 効果ガスの削減数値目標の基準年を見直すべきだと主張。
⑤日本の石炭火力発電効率が米、中、インドで普及すれば、日本一国分の排出量に当たる13億トンのCO2削減が可能だと指摘。
⑥途上国の温暖化対策支援に5年間で100億ドル(約1兆600億円)規模を拠出する日本独自の資金メカニズム「クールアース・パートナーシップ」創設を表明。
しかし残念ながら、今回の演説には「日本がキャップアンドトレードを導入する」という具体的な世界に向けてのコミットメントはなかった。 おそらく世界はそこに注目していたであろうに。
福田首相が世界に向けてここまで積極的な取り組みを表明意するのであれば、あと待たれるのは、日本の具体的なコミットメントとアクションである。そのことは十分理解していたはずなのに。それなのに、なにを恐れているのか。京都議定書のトラウマやら被害妄想が一部の経済界には相当根強いと聞くが。
昨年既に、欧州連合(EU)は、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出権市場の国際化を目指して締結された国際協定「国際炭素取引協定」(ICAP)に、日本のオブザーバー参加を求め、「国際炭素取引協定(ICAP)」に日本がオブザーバー参加することになっている。そして今月1月下旬に米国で開かれる初の専門家会合に環境省が出席する方針を固めている。国や企業に排出枠を設定する欧州式の取引制度をめぐっては産業界や経済産業省の反対で、国内では導入の見通しが立っていない。EU主導で進む取引市場の国際化に強い危機感を抱く同省は、市場拡大の動きに呼応しつつ、将来の連携も視野に制度導入に備えるとしている。
今回の趣旨が、温室効果ガスの主要排出国すべてが参加する国際的枠組み(ポスト京都議定書)の構築に取り組む決意であるなら、もっとICAPにも積極的に臨んだらどうなのか。そして異議があるならそのテーブルで代案を提言したらどうなのか。日本より先に米国が行こうとしているのに。
この今回のダボス演説を聞いた世界各国の反応はどうだったのだろうか。
以下、参考までに、公開情報から、「国際炭素取引協定」(ICAP)と「キャップ・アンド・トレード方式」について整理しておきたい。
【国際炭素取引協定(ICAP)とは何か?】
ICAPは欧州連合(EU)や米国、カナダの一部の州が温室効果ガス排出権取引の世界市場の創設を目指し締結された協定。参加国はいずれも企業に温室効果ガスの排出枠を義務づけ、余った排出枠を排出権として売買する方式の市場を推進している。検討段階の国や地域もICAPにオブザーバー参加できる仕組みで、排出権市場に関心のあるすべての者に開かれている。EUはオブザーバー参加をてこに日本取り込みを狙う考えで、日本にも参加を勧める考えを明らかにしている。
【キャップ・アンド・トレード方式とは何か?】・・・公表データから抜粋編集。