慶應義塾大学の三田キャンパスで、記録映画「カルラのリスト」を考える会に参加。

国際刑事法分野は門外漢であり、徒然人も知らないことも多く、この映画を観ながら慶応の先生とも質疑・議論したが、実に刺激的で勉強になった。


この映画は、オランダのハーグに設置された旧ユーゴ国際刑事法廷で、6人の戦争犯罪人を追う国連検察官カルラ・デル・ポンテの実際のドキュメンタリー。10年以上も逃げ回る戦争犯罪人の行方を追いスイス軍の専用小型ジェット機で世界中を飛び回る彼女の迫力と存在感に終始圧倒された。


carla
(Carla)


この映画の真価は、その国際交渉にあたるカルラ女史の気迫あるリアルな横顔にあるが、あわせ、このドキュメンタリーが、世界のドキュメンタリー史上、初めて撮影が許可された国連の裁判所の舞台裏を克明に捉えているところにある。


戦争犯罪人を告発する活動を映すと同時に、12年前の虐殺により夫や息子を失った女性たちの顔をアップで描写しており人類の愚かな行為の影がいまだに人々の消えていないことを、そして時の為政者の横暴と、いまだに逃げている戦犯への怒りを訴えている。


そして、これは、なにも旧ユーゴに限ったことではなくて、イラクもしかり、不必要な原爆を2発も被爆した日本も被害者である面もあり、戦争犯罪はどうなんるのかとも思った。


日本は「国際刑事裁判所(ICC)」に今回加盟することになったので、会場では、この機会に、ICC関連でも幾つか質問がでていたが、米国とロシアは、現在でもICCには加盟していないらしい。その理由をただしたら、米国が現在イラク等世界中で繰り広げている軍事行動を訴追される懸念があるためらしい。ちなみに、日本に投下した原爆に対しては訴追できないのかという点については、2002年の当該条約締結以降の戦争しか対象ではなく、しかも米国もイラクも条約を批准していないので、対象外だそうで、なんとも腑に落ちない気がした。


【カルラのリスト】

監督;マルセル・シュプバッハ
製作;ジャン=ルイ・ポルシェ ジェラール・リュイ
撮影;デニス・ユッツラー
制作; 2006スイス/アップリンク
上映時間;95分

参考まで http://www.uplink.co.jp/carla/index.php   + カルラのリスト予告編