いま夢中になって読んでいる1冊の新書本がある。
徒然人の性分ではあるが、会ってお話した人が指揮者や音楽家の場合、実際にその方のコンサートをさっそく聞きたくなったり、画家や彫刻家の場合は絵や作品を見たくなったり、作家や学者の場合には本人が書いた本を実際にすぐに読んでみたくなる。
子供みたいなところがあって好奇心が旺盛なのだろう。
先日お逢いした福岡伸一氏もそうである。
さっそく近所の書店で1冊の新書本『生物と無生物のあいだ』を買ってきた。
これが実に素晴らしい。読みながら彼の顔が目に浮かぶ。
実に面白い。夢中で読んでいる。
テーマは大きくって深い。「生命とは何か?」である。
今日も帰宅の列車の中で夢中で読んでいてあやうく乗り過ごしそうになってしまった。
一流の科学者でありながら、文章も素晴らしい。いや、天下一品の科学者であるからこそ文章も素晴らしいのかもしれない。ふと常日頃から愛読している中谷宇吉郎の随筆を思い出した。
彼がNYのマンハッタンにあるロックフェラー大学の図書館の静謐な空間で過ごした話や、そこに野口英世の像がある話、野口に対する評価が日米で評判がまるっきり違う話から、病原体の特定の辛抱強い根気のいる話やら、おもわず時間を忘れて読んでしまう。
【福岡 伸一(Shin-Ichi Fukuoka)プロファイル】
1959年東京都生まれ。京都大学および同大学院農学研究科博士課程終了。ロックフェラー大研究員、ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て、2004年から青山学院大学理工学部化学・生命科学科教授。分子細胞生物学専攻。プリオン病発症メカニズム、細胞膜動態をコントロールする膜タンパク質の機能解析、遺伝子ノックアウトマウスを用いた分泌現象の解析、脳神経細胞を守る環境条件の検討、(詳しくは福岡研究室サイトhttp://www.chem.aoyama.ac.jp/fukuokalab/ をご参照)
論文 Phthalate Esters Enhance Quinolinate Production by Inhibiting {alpha}-Amino-{beta}-Carboxymuconate-{varepsilon}-Semialdehyde Decarboxylase (ACMSD), a Key Enzyme of the Tryptophan Pathway.Toxicol Sci. 2004 Jun 30
Identification of a novel protein complex containing annexin A4, rabphilin and synaptotagmin.
FEBS Lett. 2004 Feb 13;559(1-3):13-21.
DNA-based identification of Brassica vegetable species for the juice industry.
J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo). 2003 Oct;49(5):357-64.
