An Inconvenient Truth(不都合な真実)」ってどこにもあるものだ。


米国のワシントンにもドイツのベルリンにも、そして日本の永田町にも霞ヶ関にも大手町にも丸の内にもいたるところに時の為政者や権力者に不都合な真実はゴロゴロ転がっている。そしてその多くは静かにヴェールに包まれている。


でも人間として大事なのは、それを黙認しないで、声に出しておかしいものはおかしいと言い、そのためにはどうしたらいいか考え主体的に行動することだ。それを自ら黙々と体現しようとしている1人の敬愛すべき勇気あるアメリカ人が居る。アメリカ大統領になりかけた男、アル・ゴアである。


今日このゴアのドキュメンタリー映画『不都合な真実(An Inconvenient Truth)』を、六本木ヒルズで観て来た。その内容と彼に真摯な姿勢に圧倒された。


彼はハーバート大学時代ロジャー・レヴェル教授によって地球温暖化問題に目を開かれた。そして政治家になって以来、課題として地球温暖化問題を取り上げ続けてきた。そしていまから25年前の89年に彼の6歳の息子が交通事故に遭い、1ヶ月間、生死の境をさまよった。そして奇跡的に命を取りとめた時、ゴアはこのかけがえのない子供達の生きる場所である地球への危機感を強めたという。ゴアのこうした活動の1つの結実が「京都議定書」だった。


しかし不幸なことにその後肝心のアメリカが批准しない事態に陥った。大統領選でゴアを破ったブッシュがは批准を拒否したのである。その後、大統領選に敗北したゴアは自らコンピュータを駆使したスライドショーを作り上げ、アメリカのみならず海外にも出かけてストップ・ザ・地球温暖化キャンペーンを1人で続けている。偉いなと思う。そうそうできないことだ。


地球温暖化の原因が、エネルギーとモノの消費を美徳とする私たちの社会システムそのものであることは自明である。洪水や旱魃や巨大ハリケーンや熱波になって私たちの生命を脅かしている。キリマンジャロの万年雪も数十年で消えてしまうと言う。南米のブラジル沖にも有史来発生しないとされていたハリケーンが発生した。

こういった「真実」は、特に権力者や一部の産業界にとっては実に「不都合」極まりないものだろう。
多くの政治家たちが耳を貸そうとしない“不都合な真実”。しかし、私たちが日々の暮らしの中で小さな努力を重ねることで、地球を変えていける、とゴアは訴える。それぞれの問題は日常生活の中でつながっており、エアコンを切ったり、自動車の排気ガスを減らしたり、自然エネルギーを取り入れることで、事態は確実に改善されていく。

この映画はそんな男の勇気と希望に満ちた闘いを描いている。


ぜひ皆さんにもご覧いただきたい傑作である。

【不都合な真実(An Inconvenient Truth)】
監督 デイビス・グッゲンハイム
出演 アル・ゴア
時間 1時間36分
公開 2007年1月20日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほかにてロードショー
配給 UIP映画


【ウェブサイト】
アメリカ版
 www.climatecrisis.net