雨の銀座で家内と実に面白い映画を観た。

華やかなファッション世界の織り成す人間くさい光と影が見えて想定していた100倍も面白かった。


映画としてのストーリー性も実に味わいがあったが、それ以上にお洒落のツボを心得たこの作品は面白い!

タイトルの「プラダ」をはじめシャネル、ドルチェ&ガッバーナ、ジョン ガリアーノ、エルメスなど、あまたの盛りだくさんのブランド。そして派手なパーテイー。繰り出されるジョークと皮肉と会話のバトル。その意味で贅沢な映画である。

プラダも財布しかもっておらず、エルメスやドルチェ&ガッバーナも本音では「人間は中身が勝負だ、ファッションなんてクソ食らえって」なんて思ってる部分がある徒然人にとっては、この映画の世界は異次元の世界の話ではあるが、それでも異邦人のような気分でファッションの世界の最前線を心ゆくまで味わえ実に面白かった。 そして一見華やかな世界の裏の人間の悲しみ、苦悩も垣間見られて、また人生にとって何が大切だろうかと考えさせられる映画であった。


主演はファッション業界紙の鬼編集長ミランダのジュニア・アシスタントのアンディを演じるアン・ハサウエー。

そしてこの 「プラダを着た悪魔」=鬼編集長ミランダを演じるのがなんと適役のメリル・ストリープ。イエール大学の演劇学校に進み、ファイン・アートの修士号を取得、アカデミー賞ノミネートの最多記録を誇る現代最高の名女優だ。『マディソン郡の橋』が懐かしい。今回の映画では世界のファッション界にカリスマとして君臨する「ランウェイ誌」の編集長ミランダ・プリーストリーを演じる。 この存在感はすごかった。そして妙な緊張感。あの機関銃のように次から次への繰り出される示唆に富んだ会話のテンポ。あんな悪魔のような上司は直接仕えるのは真っ平ゴメンだが、一方であのきりりとした厳しさの中に見え隠れする人間的な脆さと優しさにも惹かれた。先日観たアフリカ映画「母達の村」の対極にあるハイテンションなNYという環境ながら、似たような人間の躍動感と人間くささがまた実に味わい深かった。多分この物語の舞台のモデルは「ヴォーグ誌」だろう。


この物語のオリジナルの作者は20代のころにアンディのように実際に自らヴォーグ誌の女性編集長のアシスタントをつとめた経験を持つローレン・ワイズバーガー。彼女が書いた1冊の本が「プラダを着た悪魔」。本は読んでいないが、映画ではさすがに作者自身の実体験がよくリアルに反映されていて面白い。華やかにして苛酷なファッション界の裏舞台を垣間見せてくれる。そして監督は、デヴィッド・フランケル。


刺激と元気を欲しい方は必見の映画である!


prada