クラシック音楽の流行と演奏時間っていうのは、実はけっこう関係が深い。

コンクールや試験は制限時間があったり、途中で切られたりする。
演奏時間20分の素晴らしいピアノ曲があっても、そもそも小さなコンクールでは使えなかったり、使えても途中で切られてしまって、聴かせどころまで弾けない。

そんな都合で、「使いにくい」曲は、名曲であっても敬遠されがちだし、試験映えする要素がいい時間で都合よく入っているような曲は、大人気になったりする。

こういう「都合」は、専門の世界だけでなく、学校の音楽の授業でも言える。

ビバルディの四季「春」1楽章、シューベルト「魔王」。
この学校で習う大定番の2曲は共に演奏時間3分ほど。ポップスと変わらないくらいの丁度良い時間の中に、わかりやすいストーリーがパッケージされていて、秒単位で場面や役が変わって飽きさせない。小鳥が鳴いたり嵐が来たり、魔王が誘ったり、子供が叫んだり。
授業しやすい、扱いやすい。

名曲でありながら、実用的でないばかりに眠っている、消えてしまった曲も、たくさんあるのだろうと思います。