今回こそ、みのさんのプロ意識について。
ある時、番組の構成作家の女性(Kさん)が結婚することになった。
Kさんはとてもきれいな方で、なで肩で(・・・無関係)、みのさんをはじめ、男性スタッフの顔がゆるむのを私は何度となく目撃していた。
そんな麗しの君の結婚である。
さぞかし残念だったに違いない。
意気消沈の人、不機嫌な人、皆さま奥方がいることを忘れてやしませんか・・・のスタジオ。
みのさんはといえば、そんな時に落ち込んだり、機嫌が悪くなったりしないのがすごいところ。
「あっそ。よかったじゃな~い」とやたらめったら切り替えが早い。
やせ我慢かと思いきや、そうでもない。
「いやぁ~、おめでとう!やるじゃない」とKさんを祝福し、「で、(相手の)どこが好きなの?あ~そう、いやいや、それで、どうなの?そっちの方は」とたずねる。
「・・・はっ?」とは、私の心の声。
Kさんはもちろん赤面のしどろもどろ・・・。
してやったり顔のみのさんは、「あれ?二人ともなんか勘違いしてるんじゃないの?ちょっと、やだ~、新居は?って意味に決まってるじゃない」と、こんな時のオネエ言葉。
みのさん・・・違いますよね、絶対に。
だって「そっち」と「新居」、ぜんぜんかかってないです、私でもわかります。
と、ここからがプロ意識の本題。
ある日の収録後、Kさんが結婚式で流すコメントをお願いしたところ、みのさんは快諾。
「式はいつなの?相手の方の名前は?」とそれだけを確認すると、「さっ、録ろうか」とさっさとディレクターに合図を送る。
「2分程度でお願いします」と言うディレクターに、「オッケー、2分ね」と応じ、キューが出ると、「Mくん、Kさん、ご結婚おめでとう!」とさわやかな滑り出し。
話す内容を考えていた様子などなかったのに、Kさんと番組で仕事を始めた頃の話や、駆け出しのKさんの失敗談をおもしろおかしく披露して笑いを取ることも忘れない。
後半は、しんみりと感慨深くKさんのこれまでの成長を語り、今後も期待しているとあたたかく締めくくった。
そこにディレクターの「はい、オッケーです。2分ちょうどです」の声。
私は目を見開き、思わず拍手。
目の前で繰り広げられたプロの仕事に感動すら覚えてしまった。
みのさん、やる時はやるんですね。
本番間際まで携帯でおしゃべりしてたって、
それでディレクターが泣きそうになったって、
結婚間際の女性に、限りなくセクハラ発言したって、
何はどうあれすごいですね、あっぱれです。
みのさんの話は、書いていてとても楽しい。
またいつかそのうちに。