年末年始の話。
年の瀬が近づくと、病院にはお正月の飾りつけがされた。
やたらでてくる龍。
干支のイラスト。
娘はこれがなんなのか、とても気になったようだった。
娘はこうなると質問攻めだ。
とりあえずこども用の「干支の始まり」の物語で説明してみた。
ねずみがねこを騙して1番乗りになる、みたいな話だ。
「神様が正月に早く来た12匹の動物から順番に、1年の大将になってもらうと決めた。」
まずこの時点で、すんなり受け入れてもらえない。
「かみさま?たいしょうってなに?なにをするの?」
神様はね…1番えらい。
大将ってみんなのリーダーよね…
ほら、ミッキーよ。(ミッキーマウスマーチ参照)
何をするんだろうね…
皆を守ってくれてるんじゃない…?(自信ない)
「りゅうってなに。どうぶつえんにいなかった。」
龍はさ、誰も見たことがないんだよね。
きっとこんなかっこいい生き物いるよねって思って作られた生き物なんだよね…
「だれもみたことがない…?だれもみたことがない…?」(混乱)
うん、意味わかんないこと言っちゃったね。
お母さんもわかんないよ。なんだあれ。
龍については絶対に描けないので、YouTubeで検索してアニメーションを見せた。
改めて見ると不思議だ。
翼とかないのに、蛇みたいに長い体をぐにゃぐにゃ曲げながら空を飛んでいる。
このエネルギーはどこから生まれる設定なんだろう。
娘はこの、干支という謎の代表交代システムと、
これまた謎の、空想の生き物である龍をいたく気に入ったらしい。
カレンダーをめくり、
「うさぎさんのとしはどこまで?」
「りゅうさんはいつ?」
「あしたはりゅうさんのひ?」
と何回も聞かれた。
何度も干支の絵を前に説明をさせられた。
聞かれて答えても、3歳児はすぐに忘れてしまう。
すると何回も同じことを説明することになるのだ。
そしてついには龍さんに手紙を書くと言い出した。
もちろん私が代筆する。
「だれもみたことがないりゅうさんへ。ってかいて!」
「かつどんがたべたいです。ってかいて!」
え、干支ってそんな願い事叶える系のやつだった…?(違う)
だけどこどもの考えることはおもしろい。
私はなにも訂正することなく言うとおりにした。
娘の要望の通り、空を飛ぶ龍さんが気づくように1番高いところ(床頭台の上)に置いた。
娘は多分、干支のことをサンタさんみたいなものと思っているままだろう。