抗がん剤治療の前に、C大学病院で一通り検査や、耳鼻科や歯科を受診した。
転院で全て引き継がれているから、新たに検査はないと思っていたが違うらしい。
改めてレントゲンや心エコーやらその他諸々受け直すようだ。
考えてみたら、確かにそうしてもらった方がいいなと思った。
色んな人の目で何回でも見てくれ、という気持ちだ。
子どもの聴力検査は遊びみたいなものだ。
音が聞こえたらボタンを押す。
すると箱の中が光って人形が動き出したりする。
娘はこれにかなり敏感に反応していたと思う。
現時点では聞こえに全く問題はないようだ。
だけど、治療後は違うらしい。
治療後に受けたときはどんなことを思うんだろう。
「いま鳴ってるけど、これ聞こえないの?」とやきもきするんだろうか。
歯科の受診は、B大学病院よりかなり丁寧に診てくれた。
優しく娘の気持ちを落ち着かせた後で、口の中を診て、歯磨きもしてくれた。
今後も定期的に診てくれるらしい。
本当にありがたい。
B大学病院の歯科受診を思い出す。
B大学病院の歯科医には娘は絶対に口をみせようとしなかった。口を固く閉じた上で手で押さえている。
警戒心がMAXの状態だ。
歯科医は「虫歯は今までないんですよね?定期健診とか受けてます?」と言い、
私が保育園の健診が最近あったことや虫歯がなかったことを告げると、歯科医は娘の手を押さえて、娘が口を一瞬だけ開いたのをちらりと見た。
「前にみたなら大丈夫か。ま、綺麗そうだね、将来的には歯並び悪くなりそうだけど」
と最後にめちゃくちゃ気になる言葉を言って、受診はあっという間に終わったのだ。
これと比べたら、C大学病院の歯科医は神さまのようだった。
転院直後は、どうしても色んなところをB大学病院と比べてしまっていた。
残念ながら、
どこを取ってもC大学病院がいいです!ここが最高です!というわけではない。
B大学病院もいい病院だったな、と思うところはある。
だけどとりあえず、私はこの病院や先生を信じるしかないなと思う。