息子を保育園に迎えに行く。


娘も保育園に行きたいと行ったが、

連れて行かなかった。



娘はこの保育園にはもう通えない。

みんなが楽しく遊んでいても、娘は病院に戻らないといけない。



また子どもは無邪気だ。


娘の頭を不思議そうに見るだろう。

「なんで髪がないの?」と聞いてくる子もいるかもしれない。

そのときに娘がどんな気持ちになるかと思うと連れて行けないと思った。



保育園のチャイムを押す。



間違いなく、今日がこのお世話になった保育園に行く最後の日だ。


毎日、送りも迎えも私だった。

雨の日もめちゃくちゃ暑い日も毎日通った。

帰りは近くの公園で少しだけ子ども達を遊ばせて、お友達と走る息子を追いかけながら、みんなで帰った。



思い出深い。この保育園に、息子は卒園まで通うはずだった。



息子は私の姿を見ると「えーー?!ままー?!」と驚いたようだった。


少しはにかみながら教室から出てきてくれた。

息子の担任の先生にご挨拶をする。



息子が靴を履くのを待っていると、娘の教室からパタパタと娘の担任の先生が慌てて出てきてくれた。



娘の作品や、娘へのプレゼントをもらう。

ちょうど今日受け取る日だったらしい。



娘は制作が大好きだ。

自分で作った作品を見るのも楽しいだろう。

先生からのプレゼントも喜ぶに違いない。


「ありがとうございます、きっと娘も喜びます。娘はいまも園に戻りたがっています。お友達の名前を1人ずつ数えたりしているんです。」


と話した。

最後らへんは涙が出そうになる。多分出ていた。


慌てて、「娘は病院でも元気にすごしていますよ!」と付け加えた。



明るい話にしないといけない。



先生も潤んだ目で励ましの言葉をくれた。



その日は週末だったため、保育園から持って帰る荷物はいつもより多かった。

だけど息子をおんぶして帰ることにした。


息子に触れたかったのと、予防接種の予約時間が迫っていたからだ。