造影CTとMIBGの結果から、


抗がん剤の効果はしっかり出ていて、

腫瘍は小さくなっているようだった。


血液検査の腫瘍マーカーの値も低くなっていた。


腫瘍に押しつぶされていた腎臓は腫れがひき、

腎ろうを外せる日も近いだろうという話があった。



腫瘍の写真を見ると、

感覚的には半分以下になっていた。


「こんなに一度で小さくなるんですか?」

と思わず聞いてしまった。



そんなものらしい。



腫瘍の大部分は初期に壊れ、

そこからゼロにするまでが長いということ。


そうだ、娘の治療はまだまだ続く。




少し悪い話としては、


左の腎臓の腫れは引いてるが、

機能は右に比べて低くなっていると、検査結果では評価したらしい。


主治医の先生は明るい。


「もしだめになっても、腎臓は1つでも大丈夫です!それも難しくなったら親から移植もできますからね〜」

と言った。



そんなものらしい。



そうか。私の腎臓、娘にあげられるんだ。

それはいい。娘にあげよ。



できることがあるならいいのだ。



ひとまず治療が続けられることはわかった。


この1ヶ月は娘にとって、大きな意味のある1ヶ月だっただろう。


ちゃんと治療は効いている。

娘は回復に向かっている。


その事実に大きく安堵した。