これから、A総合病院から、B大学病院に向かう。


まずはお昼ご飯を手短に済ませないといけない。



A総合病院の1階にあるコンビニで娘が好きな食べ物を選ばせた。



娘が選んだのは


いちごジャムがたっぷり入ったコッペパンだった。


このような菓子パンは、

甘すぎるし、栄養がとれないどころか身体に悪いのではと正直思っている。


だけど、娘が入院になったらこんな菓子パンはしばらく食べられないかもしれない。


そう思って好きに選ばせた。



娘はそれをイートインスペースで頬張って食べた。


ジャムが口いっぱいについている。


大人でも1食分に十分なそれを、3歳の娘は1人で食べ切って、満足そうにしていた。


…ほんとに元気なんだけどなぁ。


娘の食欲を見ていると、やっぱり、がんだなんて信じられなかった。


次に移動手段だ。


A総合病院には自転車で来た。

しかしB大学病院は遠くて、とても自転車で行ける距離ではない。


自転車をどこかに置いて、電車に乗る必要がある。


先生は病院に置いていいと言ったが、できれば回収しやすいところがいい。



幸いにもA総合病院から近い駅に一時利用ができる駐輪場があった。


屋根もあって管理人さんもいる。


ここなら数日置いても大丈夫だろう。


駐輪して駐輪場所を夫に送信しておく。



しばらく回収できないかもしれないから、鍵がかかってることを2回確認をして、カゴにつけたカバーをしっかり閉めた。


ヘルメットしか入ってないけど。


なにしろ子乗せの電動自転車は高いから。

盗まれたらちょっと許せそうにない。



こうしてB大学病院まで、電車で向かった。


娘はママと2人だけの電車旅に、少しわくわくしているようだった。


しばらくすると電車の揺れに誘われて、娘は眠ってしまった。


いつも見慣れた、穏やかでかわいい娘の寝顔だった。


こんなかわいい娘が…(以下略)とやっぱり思った。