A総合病院を受診した。


朝9:00に初診の受付をして、小児外科の窓口で待つ。


他の診療科はたくさん人が待っているようだったけど、その日小児外科の受診を待っていたのは、娘以外には1組だけだったと思う。


少し気になって、ちらりと見てしまった。


他の子どもと見た目は変わらない。

ゲームに夢中のどこにでもいる小学生。


どこが悪いんだろう…。

娘みたいに、念のための受診なのかな。

それとも、なにか深刻な病気を抱えてるのかな。


失礼ながら、よその子を見てそんなことを考えた。




普段行くことがない病院で、娘も私も落ち着かなかった。


娘とお話しをしながら、


きっと私の取り越し苦労に終わって、もう2度とここを受診することはないだろうなとぼんやり思った。


診察の順番が回ってきた。


小児外科の佐藤先生は、まず娘のお腹を触って、


「確かに触りがあるけど…うんちが出ててもこうやって常に溜まってる子っているんだよね」


「腫瘍があったりすると、痛いというよりは、だいたい元気がなくなる子が多いし」


娘は先生からお腹を触られて、くすぐったかったのか身体をよじって、きゃははと笑った。


「…元気そうだよね」


そう、元気いっぱいなのだ。


「念のためエコーとレントゲンをしましょう」


ありがたい。これでようやく便秘であることがハッキリするんだ。


そう思って、娘と私は検査場所に向かった。


ご機嫌な娘はスキップをしていた。