例えば、義手をつける、義足をつける。このことは、日常生活の可能性を広げるでしょう。

さし歯をする、とかいうのもそうですね。それを補う事によって、支障が出ていたものを解消することができる。

が、義眼というのは、本当に、見た目だけである。


見た目がものすごく美しい少女。この少女に片目がないからといって、なんか美しさが変わるだろうか。

なんも変わらんと思うね、俺は。



けれど、この美しさに嫉妬した誰かが、片目がないことを異様に意識させ、それがさも醜いことであるかのように、思い込ませた。


あるとき、少女は自分の片目がない写真を全部捨ててくれと親に言った。

そして、寝る時以外は、家の中でも家族と会う時でも、ずっと義眼を入れ続けていた。

義眼は他人にとって、気持ち悪いものだと思い、一切誰の目にも触れさせず、誰にも触らせなかった。



母親も時々言ってみた。近所に同じような病気で義眼をつけていない人がいるよ、と。

でも、少女はそんなの信じられないというような反応をした。

少女は、ずっとお人形さんのようだった。



お人形さんのように美しかったけれど、作り物みたいだった。



当たり前だ。作り物の目を入れてるんだから。



誰が、醜いと思い込ませているんでしょうかね。


誰だろうな。


本当に、必死で救ってやってんのに、ひどい仕打ちをするんだな。

そんな女を救う必要があるのかね。


そう思う男の女もまた、他人にそう思われてるだろうな。

あんな女を救ってやる必要があるのかよ、ってね。



まあ、全部自分に帰ってくる事でしょうから。



勇気が入ることではあるな。突然、目がない顔を他人に見せるわけだから。

最初からないんなら、まだいい。

どういう気持ちでそういう酷いことをしてるんでしょうかね。


それだけ、心も醜くて、可哀想な女だ、ということだけはわかる。




まあ、焦るな。



今日は、このくらいにしておきましょう。



お父さんは、自分の奥さんよりも、この少女を宝物のように愛してますからね。


お父さんのことを好きな人は、奥さんよりも、この少女のほうにはるかに嫉妬するでしょうね。




↓ くらい。


「あなたに好きと言われたい」   奥華子