先程の記事で紹介した、モーパッサンの「ネックレス」のあらすじについてご紹介したいと思います。




美しく生まれながら、貧しい公務員の男に嫁いだ夫人は、いつも上流階級に憧れていました。

私ほど美しく生まれた女が、なぜ、こんな貧乏暮しをしないといけないのか。

といっても、お手伝いさんが一人出入りする、普通の家庭だったのですが。


あるとき、社交パーティの案内状が届きました。

夫人はとても喜んで、夫に是非行きたいとねだりました。夫はしぶしぶ承知しましたが、夫人には着ていくドレスがありませんでした。

夫は、自分の欲しいものを買うために、こつこつと貯めたへそくりを夫人に渡し、これでドレスを買っておいで、と言いました。

夫人は自分がとても美しく見えるドレスを買いました。しかし、アクセサリーがありません。

困った夫人は、上流階級の友人に事情を話して、ネックレスとイヤリングを借りました。


そして、パーティ当日、美しい夫人はパーティの主役になりました。

多くの男性が夫人の周りに集まり、その美しさをほめたたえました。

夫人は有頂天になりました。これこそ、自分にふさわしく自分が望んだ世界であると、心から思いました。

そして、楽しいパーティが終わり、帰路に着いた時、なんと、友人から借りたネックレスがないではありませんか。


夫人は真っ青になりました。

パーティの楽しさも忘れて、夫と二人で何度も何度もネックレスを探しに行きました。

しかし、ネックレスは見つかりませんでした。



夫婦は相談した結果、借りたネックレスとそっくりのものを、宝石店で購入し、それを友人に返しました。

それは、決して安くはないものでした。

それどころか、そのネックレスの代金を支払うために、夫婦は昼も夜もなく働きました。

出入りしていたお手伝いをくびにして、家事は全部自分でやりました。


自慢の美しい手も荒れ放題になり、美しかった姿も、みすぼらしい主婦になっていきました。


そして、やっとネックレスの代金を返却し終えた頃、ネックレスを借りた友人にばったり出会いました。

夫人は、以前の美しさは姿かたちもなく、みすぼらしいおばさんになっていました。

友人は、彼女のその姿に驚き、事情をききました。


夫人はいいました。

「あなたに以前借りたネックレス。実は失くしてしまって、同じものを街の宝石店で買って、返したの」

すると、友人は言いました。

「まあ、あなた、本物を返してくれたの?あなたに貸したネックレスは、安物の偽物だったのに」





こういうお話です。


いかがでしょうか。



庶民と上流階級の価値観の違いが招く、不幸のお話ですね。


解説すると、まず、友人は本物の高価な宝石を、夫人に貸すわけもありません。

そして、ネックレスを失くした時、失くしてしまったと友人に言えなかったこと。



せっかくの美しい美貌と、ささやかな幸せの生活と、何もかも失ってしまったわけですね。

そして、最後に衝撃の事実を知ってしまった。


私の人生って、一体なんだったんだろう…





すごおく、女性の心理の究極をついた話ですね。


教本にしてください。

特に、上流階級の人は本物の高価な宝石を、庶民に見せるわけもないというところを。




旦那さんが可哀想…


ていうか、甲斐性ない感じ?



今ある幸せを二人で守っていこう、ぐらいのこと言えばいい。



ていうか、すごくきれいなお気に入りの絵本だったのに。あげたわけじゃないよ。

持って行った人、返して!





「Turn Me On」  Norah Jones