茶豆はうまれたときから茶色でした。
他の豆はきれいな青色をしていました。
なんで僕だけ茶色なんだろう…
青豆たちは茶豆をからかいました。
茶豆はとても苦しみました。
僕も青豆になりたい…

あるとき、青豆たちがかりんとうにぺこぺこしているのを見ました。
茶豆は思いました。青豆になるよりかりんとうになったほうがいいじゃないか。
茶豆は、かりんとうに似た素材のものを身体にくっつけてかりんとうに見えるようにしました。
その格好で青豆たちのところへいくと、ぺこぺこされました。
なんて気分がいいんだ…

あるとき、かりんとうたちがシュークリームにぺこぺこしているのを見ました。
茶豆は思いました。かりんとうになるよりシュークリームになったほうがいいじゃないか。
茶豆は、シュークリームに似た素材のものを身体にくっつけてシュークリームに見えるようにしました。
その格好でかりんとうたちのところへいくと、ぺこぺこされました。
なんて気分がいいんだ…

あるとき、シュークリームたちがバウムクーヘンにぺこぺこしているのを見ました。
茶豆は思いました。シュークリームになるよりバウムクーヘンになったほうがいいじゃないか。
茶豆は、バウムクーヘンに似た素材のものを身体にくっつけてバウムクーヘンに見えるようにしました。
その格好でシュークリームたちのところへいくと、ぺこぺこされました。
なんて気分がいいんだ…

青豆にいじめられていた茶豆は、バウムクーヘンになってみんなからぺこぺこされるようになりました。

ところが、自分の体に合わない素材のものをくっつけてきたので、茶豆自身が腐ってしまいました。

バウムクーヘンなのに、なんか臭い…

腐った茶豆が異臭を放ち始めたのです。

臭い。これは茶豆が青豆にいじめられていたことより辛い現実になりました。

茶豆のままでいれば、そのうち同じ茶豆に出会い、幸せな人生を送れたかもしれないのに。
みすみす自分で自分を腐らせてしまったのです。

見た目がバウムクーヘンでも、臭いにおいがするので、みんなが嫌がります。

茶豆は思います。僕の人生はなんだろうか。
いまさらバウムクーヘンをはずせません。
ただでさえ臭いのに、見た目まで腐った茶豆になってしまったら、もう終わりです。

腐った茶豆。

勇気を出して、触れれば、中にダイヤモンドが隠されているかもしれません。


それは鉱山の中から原石を探すというより、排泄物の中から誰かによって加工されたものを取り出すといった作業に近い感じがします。

だれかが茶豆の中にダイヤを隠した。

そんな感じがします。





誰がやる?

じゃんけんで決めよう…




「Masquerade」




この曲、ハチャトリアンという作曲家の組曲「仮面舞踏会」のなかのワルツですが、貴族社会を舞台としたもので、嫉妬のあまり妻を殺害してしまう悲劇の曲、だそうです。