この夏、30年来の宿題を片付けた。
アラビアのロレンスをついに観たのだ。
上映時間が8時間だとなかなか観られぬわ、などと思っていたが
実際は3時間47分(幕間の休憩込み)だったので余裕である。

しかしながら、今時の悪魔的デジタル技術を行使すれば
2時間35分の密度かつ圧倒的にリアルなCG表現をもって
大スペクタクル男のロマンと悲哀を描くことも容易かろうて。

それなのに。嗚呼それなのに。
ふるくさい画面に魅入られてるオノレがおる。

アラビアのロレンスで「人間を味わう」醍醐味を知った気がする。

「あー砂漠だなぁ。めっちゃ広いなぁ。画面奥のエキストラなんてカメラから1キロは離れてね??
 つうことはシュートまで砂漠の炎天下で何時間またされてんのやろ??」とか
「おおおお!突撃シーンは痛快!!ラクダならなおもてやで!待された皆さんの顔もイキイキしとるで」とか
「ロレンスぅ、撃つのに逡巡しとるが結局、殺るってのが見えとるで!」とか。

砂漠の魅力を描き切っているからではあるけれど
物語とは関係ない撮影現場でのあれやこれやの出来事に思いを馳せる。
それこそ全てのカットに、人の映っていない情景カットですら人間を感じるのであった。

庵野のいう「ウルトラマンがチョップを失敗して痛がるのがいいんです」も「人間」が垣間見えたからやろか。