BL妄想
「カズ…今…なんて言ったの?」
「僕とじゅんは本当の兄弟
初めて逢った時から…
じゅんを好きだった…じゅんは
僕の初恋の人だから」
「カズはいろいろ知ってるんだね
もうみんな教えて
俺だけなんにも知らないで
いたなんて…」
「僕もじゅんももうすぐ
20だからー自分の人生に後悔は
したくない
だから母さんにも
じゅんのいや父さんにも
じゅんに伝えるのは
任せてもらったんだ
きっと僕とじゅんの気持ちは
一緒だって思ったから…」
それからじゅんがわかりやすいように
順番に伝えて言った
元々僕の母さんとじゅんの母さんは
友達同士で
父さんは大学院生で
みんなの憧れだった
で…母さんと父さんは付き合っていた
でもそれは周りには秘密に
していた
ある日父さんは
ある実験をグループでしていた時
事故が起こって
じゅんの母さんの左耳が
聞こえなくなった
責任を感じた父さんは
僕の母さんに別れを告げて
じゅんの母さんと付き合うことに
したんだ
その時僕を身篭っていたことを
知っていたけど…
言わなかったんだ
母さんは一人で産んで一人で
僕を育てた
ある日仕事でばったり
逢った父さんは母さんの
今までのことを知り
それをじゅんの母さんに
伝えた
その時じゅんの母さんは
ある病気になってて
自分の命が短いことを知って
もし私が先に逝くような事が
あったらそのあと『智』さんを
お願いと母さんに言ってたんだ
でも
子供達が理解するのは
もう少しあとだから大人になるまで
待ってやって欲しいと…
それがじゅんの母さんの
願いだったんだ
そしてあの日
じゅんの母さんの葬儀の日
僕とじゅんは
初めて逢ったんだよ
