BL妄想
7年前幼い時から
ひとつ上のお兄ちゃんの翔くんが
いつもかっこよくて
ふたりともサッカーが好きで
公園であの時も
遊んでいた
夏休みも半分終わって…
明日から母さんとおばあちゃん家に
行くから
しばらく翔くんとは
会えない
そんな話をして
戻ってきたら連絡するねって
言って帰ろうとした時
翔くんが
「潤…好きだよ」
そう言って翔くんはボクに
キスをした
ボクはびっくりして
「翔くんのバカぁ…翔くんなんて
大嫌い」
そう言って走って帰って来た
でも夜になっても
全然眠れなくて
おばあちゃん家に行っても
全然楽しくなくて
はやく家に帰りたくて
帰ったら翔くんの顔見て
謝りたくて…
2週間後家に帰ったら
翔くんは引越ししてもう
ボクの前からいなくなっちゃった
あの時からずっと
胸の奥がツンとしてる
翔くんに会いたくて
会いたくて
サッカーを頑張った
翔くんとふたりで楽しかった
サッカーを今もずっと
してるよって
翔くんに知って欲しくて…
そんな翔くんが今目の前で
一緒にドーナツ食べてるなんて…
夢見たい
翔くんはずっと前からそこに
いたみたいに
みんなと打ち解けてる
翔くんの持って生まれた
アイドル気質
ずっとそうだった
翔くんの周りにはいつも
たくさんの人がいて
でも翔くんはいつもボクを隣に
呼んでくれて
それが嬉しくて仕方なかった
「潤…今日はやけに静かだな
お前の好きなドーナツ屋だよ」
「うん!今日はこれでいいや
帰るね
みんなはゆっくりしてて…」
「なら俺も帰る」
「翔くんはゆっくりしててよ」
「帰る方向が一緒なんだから
帰るよ
今日はありがとう
明日からよろしく」
「翔くんまた明日ね」
「翔くんサッカーが楽しみに
なったよ
また明日」
「翔くんお疲れ様」
「じゃ帰ろ…潤」
「うん」
帰りの電車でも翔くんは
ずっと黙ってる
きっとあのこと怒ってるんだろうな
でもボクも聞きたい
なんであの時
なんにも言わないで
行っちゃったの
ずっとずーっと寂しかったんだよ