読売歌壇 2023.7.17

 

検索の単語のようなスペースを空けて座れり観覧車にて

大阪市 原  拓

 

結末を知ってる映画をまた見てるどんでん返しのいらない夜に

守口市 小杉なんきん

 

わたしたち眼鏡のように別々のレンズのままで一緒に生きる

東大和市 月舘桜夜子

 

座れるかどうかは立った場所による通勤電車みたいな人生

狭山市 えんどうけいこ

 

降りだした雨につぎつぎ透明なアジサイが咲くコンビニの朝

川越市 かしくらゆう

 

紫陽花が梅雨の間は大切に預かっている空の色彩

東京都 武藤 義哉

 

 

 

 

自分では体験できない出来事を

詠まれた方の視点と 自分の感覚とを織り交ぜて

追体験できるところに

短歌を読む醍醐味だと思えます

いいなぁ    短歌もさくらんぼ