くらしとことば
吉野弘エッセイ集
吉野弘さんは中学生の国語の教科書 問題集に
多々掲載されています
スクールの時間があるときには
よく読んでいます![]()
エッセイ 紐
紐という言葉を聞いたとき
人は普通どんな紐を思い浮かべるだろう
羽織りの紐 帯紐 靴紐
私はなぜか母子をつないでいるへその緒を
鮮やかに思いだすのである
また もう一つのイメージは
たとえば百科事典などで、ある人について調べる場合
その人の生まれた年 それは殆ど西暦で書かれているが
その生まれた年と死んだ年とが
短い線で結ばれていることである
すでに亡くなっている人の場合だと
あまり この線の印象は強くないのであるが
現在まだ生きている人の場合
生まれた年にくっついているこの線は
なぜか不気味である
この線はこう言っているわけである
この人物は未だ生きている、つまりまだ死んではいない
この世に生を享けている人は例外なしに
自分の生まれた年の下に
このあまり縁起でもない紐
見えない紐をぶらさげているのである
このことは
ちょっと気どっていえば生命はすべて死の紐つきだということに
なるだろうか?
うーーん なるほど
細やかな感性が
詩に反映されてますね
興味津々のエッセーです
