遺言

養老孟司 著

 

80歳になった解剖学者 養老孟司さん

バカの壁 以来

口述筆記をしていたが、10年ぶりの書下ろし

 

最近の子供は遊び場を減らされ勉強しなさいと言われる

子供が人生をつまらないと感じるのは

自然と戯れ遊びを通して人生を学ぶ機会が奪われている

その背景には 意識によって わかる ことに価値を置く脳化社会がある

 

ヒトの「感覚」と「意識」の関わりについて書かれたおり

感覚を介して観察すれば、「私」は絶えず変化しているのに、

なぜか意識は同じだという。

本書によれば、意識のもつ「同じだとするはたらき」がそうさせるらしい。

感覚は外界の「差異」をとらえて分け、意識は分けない「同一性」を重視する

たとえば、バナナもブドウもリンゴも感覚では別々のものだが、

意識は、それらを「クダモノ」と名づけて同じにする。

こんなことができるのは、意識が、感覚を「意味」に変換する「=(イコール)」を獲得したからだと

述べている

さらに、動物にも意識はあるが、ヒトの意識だけが「同じ」という機能を得て、

言葉や金や民主主義を生みだした

かくして、ヒトは世界を意味で満たそうと努め、

それを進歩と呼んで文明社会、都市社会を創りあげた。

そして今、日本は少子化に頭を抱えている。

東京などの人工的な大都市ほど子どもが生まれないのは、なぜか? 

終章で、人々が

〈感覚入力を一定に限ってしまい、意味しか扱わず、意識の世界に住み着いている〉ために、

子どもという「自然」と対峙する方法を忘れてしまったからだと指摘する

 

評者:長薗安浩

 

 

養老さんが

”もっと自然と接する時間を増やした方がいい

自然には、なんでこんな虫がいるのか

意味が分からないものがたくさん生きていますから

そんな存在に心を開くことが大切です”

 

 

本書は哲学と脳科学者でもある作者の持論が展開されています

むずかしい 難しいですねase幸

 

自然と人間への遺言と言えますね

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