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ウェブ進化 最終形 「HTML5」が世界を変える (朝日新書)/小林雅一

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上記著書を、諸先輩方からも紹介され遅ればせながら読みました。


HTML5によって、WEBがどう変わるのか?
HTML5が出てきた背景や基本的な成り立ち
HTML5導入を巡る米国3大IT企業(MS,Google,Apple)の動向や日本企業に求められる対応
HTML5が及ぼすマスメディアへの影響


などなど、HTML5が及ぼす影響について色々な観点から記載しており

非常にわかりやすく理解しやすいことのみならず

現在の日・米IT業界の問題点や各企業の思惑なども記載しており、非常に面白かったです。



HTML5の導入によって、FLASHを導入しなくとも

リッチな表現ができ、検索エンジンに読み取らせ安いので

SEOにも有効ですし、Google,Appleが推奨していることからも

HTML5での記述は今後必須になってくることは間違いなさそうです。



HTML5の普及によって、今までのプラットフォームがOSからBrowserへと

移行し本書でも記載している「Web of Things」な世界観も

そう遠くない未来に現実となりそうです。


自分たちの仕事の領域が、物凄い早いスピードで変化し、広がり

そしてこんなにもビジネスチャンスに多く恵まれている環境は

本当にエキサイティングであり面白い、と更に確信させてくれる一冊でした。


以下、メモ書き
↓↓
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基本
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◆ウェブの歴史
・正式名称「World Wide Web」1990年 英国人 コンピューター科学者 ティム・バーナーズ=リー
・「Web」と「インターネット」は違う。
└「インターネット」とは、「TCP/IP」というプロトコル(通信規約)に従う世界的なコンピューター・ネットワークのこと。
└「Web」はネットの上に構築された様々なシステムの一つ。
 └元々、各自の研究成果を共有し、閲覧する仕組みとして提案・開発された。
・Webアクセスの仕組(下記3つが基本)
①URL:Uniform Resource Identifier
②HTTP:Hyper Text Transfer Protocol:ブラウザとウェブ・サーバーが通信する際のファイル転送のプロトコル。
③HTML:Hyper Text Markup Language:ウェブページを作成するためのマークアップ言語
・ウェブ・サーバーには、HTMLで書かれた文書(ファイル)が保存されている

◆ウェブ・ページの構成要素
①HTML
⇒文書の「構造」を指定する
②CSS(Cascading Style Sheet)
⇒文書の「見栄え」を決める。視覚的な要素のみの記述をする。
⇒アクセシビリティにも役立つ。CSSで「太文字」にするところを読み上げの音声ボリュームを上げるなどの設定が可能
③JavaScript
⇒動的なウェブ・ページを構築するために別途開発された、一種のプログラミング言語

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HTML5
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●WEBは「何かを見るためのホームページ」からHTML5によって「何かをするためのプラットフォーム」になる。
●HTML5によって、世界標準のプラットフォームの上にビジネスを構築する時代になった。大手IT企業の独自プラットフォームの上で
 自らのハードやソフト、サービスを売るビジネスモデルが通用しなくなる。
⇒小さなベンチャー企業にも大きなチャンス
●1993年に規格化された最初のHTML1.0~HTML4.01「基本的にウェブページの文書構造を設計するための静的な言語」だった。
●HTMLでは、本格的なアプリケーション・プログラム(アプリ)まで作れるようになった。
●アプリの種類
ネイティブ・アプリ:基本ソフト(OS)向けに開発されたアプリ(ex:MSウィンドウズ)
ウェブ・アプリ:ウェブ上で稼働するアプリケーション
●マルチデバイス時代において、複数のデバイスの間でアプリ・データを同期する手間が省ける
●ウェブ関連の言語や技術は、規格化よりもブラウザへの実装が先行する。
●HTMLが普及すれば、テレビ・冷蔵庫、自動車などの製品群もウェブ端末化してネットに接続される
 ⇒Googleの広告を載せるメディアになる。
●クローズドなプラットフォームで戦う必要がない。
 自分:これからはコンテンツプロバイダーの時代だな。
●セキュリティホールが発見された場合にも、クローズド・プラットフォームとは比較にならないくらい多数の開発者やユーザーからフィードバックがかかる
 のでより高いセキュリティが確保できる。

◆これまでのHTMLとの違い(HTML5でできるようになったこと)
①ジャパスクリプトで本格的な情報処理を実現するための新しい機能を導入
└キャンバス・タグ(表現力)
└プラグイン無しでマルチメディアを再生:「ビデオタグ」「オーディオタグ」⇒プラグインの際のウィルスや不正ソフトの影響を受ける機会がない☆
└ウェブ・ストレージ(API):電波が切断されても情報処理を継続する⇒Webアプリ実行に必要なリソース(プログラム・データ)を自動的にブラウザにキャッシュ(一時記憶)する
└ウェブ・ソケット(API):サーバーとブラウザの双方向性通信を実現する機能⇒サーバーが自発的にブラウザへと情報を送る

②HTML文書の論理向上を明確化
└XHTMLから受け継いだ遺産を:論理構造を明らかにするための新しいタグが追加されている
⇒「マシン・リーダブル」になっている。ロボットが正確に読み取れるように。

③異なるブラウザ間の互換性を実現

◆HTML5登場の背景
①マルチ・デバイス時代の到来
└情報端末(スマートフォン・タブレット、電子ブックリーダー、デジタルフォトフレーム、ウェブTV、車載情報システムなど)の多様化
 └ITメーカーの主力製品の市場成熟
  └キャリア:利用者数の頭打ち、ARPUの停滞 ⇒新たにマルチ・デバイス分野に進出しないと成長しない
②ウェブ・アプリのメリット
└重要なアプリ・データはウェブ・サーバー上に一元管理され、手元にあるデバイスはそれにアクセスするための「ビューワー」
⇒「クラウド・コンピューティング」という考え方(デメリット:電波が届かないとダメ)
⇒上記のデメリットもHTML5なら解決できる(ウェブ・ストレージ)

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米IT業界の動き
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◆「閉鎖的プラットフォーム」と「開放的プラットフォーム」がある。
└閉鎖的:itunes
└開放的:HTML5

◆Google,Apple,MSがHTML5を支持する理由
【Google】
・ビジネスモデル
Googleの収益の大部分はネット広告であり、ネット広告を掲載できるメディアの数は多ければ多いほどいい。
・HTMLが普及すれば、テレビ・冷蔵庫、自動車などの製品群もウェブ端末化してネットに接続される
 ⇒Googleの広告を載せるメディアになる。
・「Android派」と「クローム派」
└Android(クローズド思考):スマートフォン向けに開発されたOS ⇒現在、タブレット、ネットテレビ、車載システム
└クローム(オープン思考):ネットブックという安い小型ノートPC向けのOS ⇒現在、タブレット、ネットテレビ、車載システム
⇒元々違うターゲット向けの2つのOSが同じ製品領域で競合になる可能性高い。いずれは、オープン思考のクロームに統一される?
・広告収益:検索エンジンやAndroid OSをゲートウェイにしてネットユーザーをかき集め、そこに広告を打って利益を上げる。

【Apple】
・発起人
・独自のプラットフォームを創設し、クローズドなビジネスモデルが危ぶまれるが。
①アドビのフラッシュを排除したい。フラッシュは世界のPCブラウザの90%を占めている。主導権を握られたくない
②Google,MSという巨大企業が強力に支持しており、IT業界に遅かれ早かれ普及するため早めに準備を進めたい。
・ハードウェア販売:itunesでソフト開発業者・ユーザーを囲い込み、これをテコに高額なハードウェアを大量販売して収益を上げる。

【MS】
IEのブラウザシェア低下のため支持。

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メモ
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●ハードウェア販売:アップル
●スマートフォン戦争:iphone vs Android
●既にAndroidの方が売上は大きいので、プラットフォームとして魅力なAndroid向けにソフト開発業者はアプリを作成⇒アプリ数も逆転するだろう
●主要な情報端末が交代すると、プラットフォームも交代する
パソコン時代  Windows
モバイル時代           iOS,iTunes,Android
マルチデバイス時代(ネット家電) HTML5
●OSに代わって、ブラウザがプラットフォームになる
これまで:[Platform=OS]>ネイティブアプリ
これから:[OS]>[Platform=Browser]>ウェブアプリ
●OSがバージョンアップされても、ブラウザがその変化を吸収。
●HTML5を使ってアプリケーションを作成すれば、グーグルやアップル、MSなど、特定企業が提供するOSのバージョンアップや変更に右往左往する必要がなくなる。
●インターネットに接続する製品領域の拡大:Internet of Things
パソコン>スマートフォン>タブレット、電子ブック>テレビ>自動車、白物家電・・>M2M:医療、ヘルスケア、スマートグリッド(電力管理)・・・
●「【ユビキタス・コンピューティング】=日常生活の中にありふれた情報処理環境」を今までは妨げられてきた
①無線インターネットの未整備 ⇒「Wi-Fi」[3G]
②共通インターフェースの不在 ⇒「HTML5」
●Internet of Things + HTML5 =Web of Things
●Web of ThingsはM2Mを中心に成長する
●M2M(Machine to Machine):機械同士がインターネットを介してコミュニケーションするシステム
●日本メーカーの勝機
アップル:5,6種類の製品しかない。Web of Thingsの時代に対応できない
Google :ソフトウェア開発は優れているが、ハードウェアの製品化は苦手。
韓国:最大のライバル
●アメリカでは、書籍市場の売上の10%近くが電子書籍になっている
●電子出版によって、アマチュアも自分たちで出版する自己出版ができるようになる。
└印税は60%~70%と従来の出版社を通した場合(10~15%)より格段に良い。
●日本の出版関係者が恐れいているのは、作品の中身にまで口をだし審査を落とすなど
 キンドルやアイパッドなど米国の配信プラットフォームが日本の電子出版市場で
 突出した力を持ってしまうこと。
●普通のテレビ受像機にセットトップ・ボックスを外付けして、インターネットに接続すると
 インターネット・テレビに返信する。
●テレビとネットの融合は1990年代半ば~2010年まで幾度となく試みられたがネット環境や消費者に受け入れられなかった。
●テレビ局かネット配信用コンテンツを出し渋るのは、広告媒体として最高のテレビ受像機をIT業界に受け渡したくなかった。
●Google テレビ:Googleは「ウェブ on テレビ」。ウェブを使うためのテレビという思想を持っている。
●従来のメディア企業(テレビ局、出版社)は従来のプラットフォーマー的役割を奪われ、今後は「コンテンツ・プロバイダー」としての性格を帯びていく。
●コンテンツの生産から流通、販売に至る一貫したシステム(プラットフォーム)を掌握している点で、これまでのメディアは
 コンテンツホルダーと同時にプラットフォーム業者だった。

●これまでのメディア/コンテンツ産業の構図(TVの場合)
番組製作会社>テレビ局>Mass

●現在のメディア/コンテンツ産業の構図(TVの場合)
番組製作会社>テレビ局>Mass
           >アップル(IPhone,iPad,iTunes,iBookstore),アマゾン(Kindle,Kindle Bookstore)>Mass      
           >キャリア(携帯サイトなど)                         >Mass
●携帯公式サイト事業の売上比率⇒キャリア:コンテンツ・プロバイダー=1:9
●アイチューンズ       ⇒itunes :コンテンツ・プロバイダー=3:7