「濃 密 な ふ ぐ と 白 ト リ ュ フ の 逢 瀬 」


この店、天然ふぐにこだわっているがために
4月から9月いっぱい店を閉める。

店主はこのオフを利用して食べ歩く食べ歩く食べ歩く。
ヨーロッパ、アジア、日本各地、いろいろ。

その嗅覚にかかった「イケル」と感じたものが
次のシーズンにテーブルで供される。
昨シーズン食べた「てっさ」のイメージで今年も出てくるとは限らない。

そう、てっさなのに。


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今日は素敵な諸先輩方とのお食事。
車で来た方もいたのでワインとのマッチングはお預け。
でも、お料理に集中できる数少ないシチュエイション。

予約時に「白トリュフ」を楽しみたいのです、
と言ってしまったものだから
店主のハートに火をつけてた。

ふぐに白トリュフ?

昨シーズン、店主がトライした世界とふぐのコラボレイション。
今シーズンはもう迷いがないみたい。

ふぐの旨みと、土の力を凝縮した白トリュフの滋味は出会うと
禁断的で前頭葉がジワっときてしまう。


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まずは小さなアミューズ2種。

1つめ、ふぐの煮凝り。
2つめ、白子のムース、キャビアのせ、さらに白トリュフをさっとかけて。

店主曰く「新世界三大珍味」 ・・・たしかに。



次に前菜。

ふぐと白子とゆりね、くわいの茶碗蒸し、さらに白トリュフをさっとかけて。
空間の神は『エロス』に宿る

卵と白子のコク味に白トリュフの香りが深味をもたらしている。
おかわり欲しい。



そして、てっさ。少し白子も。
空間の神は『エロス』に宿る

ポン酢、もみじおろし、出てこない。。。
去年は出てきたのに。

店主がオリーブオイルをてっさにひとまわし。
そしてここでも白トリュフを削りかけ。
真ん中のキャビアの塩味とオリーブオイルだけで味わう。
足りなければちょっと塩を加えて。

ふぐの身の味わいとキャビアの丸い塩気、
ここでは白トリュフはさわやかなスパイス感。
これを「てっさ」と呼んでいいのか?



今度は
白子の軽いオリーブオイルのフリット、これにも白トリュフ。
空間の神は『エロス』に宿る


これは初めてこのお店に来たときから「惚れて」いる一品。
白子がカリッとオリーブの香りに包まれて、
そのなかから口に融けてほどけてスルッと消えるクリーム。
思わず目を閉じてしまった。
さらに白トリュフが残像に残る。
この白と白の出会いはかなりエロティック。



そして本番
てっちり鍋。
空間の神は『エロス』に宿る


真鍮の打ち出し鍋でとろ火でじっくりとふぐたちの味を引き出す。
そして、そこにも白トリュフをたっぷり削りいれる店主。
どこまでも白トリュフ。どこまで活躍するんだ、白トリュフ。

店主がとんすいに取り分けてくれるのだけど、
そこでもオリーブオイルをひとまわし。
できればここでもポン酢ではなく塩で食べて欲しいといわれ
言われたまま口に運ぶと、
ふぐの身が口の中で崩れたとき、味がしっかり伝わってきた。

お い し い ♪

そうか、ポン酢にもみじおろしはふぐの味わいをスポイルしていたのかも。

ポン酢も出ているのでちょっとつけてみる。
あ、ちょっとつけるのは結構いいかも。
今までのふぐさんごめんなさい。これからはもっと味わいます。


さて、店主の宣言による
世界一の湯豆腐☆
空間の神は『エロス』に宿る

ふぐの味をたっぷり含んだお豆腐に
とろとろコラーゲン状態のふぐの皮をのせ、

こだわりの座間の醸造所のお醤油をさっとひとまわし。
白トリュフを削りかける。
そして蓋をして香りをこもらせて・・・・。

蓋の裏がすばらしく芳しかった。
そしてお豆腐は、旨みとまろみと香りをたずさえて
のどを通り過ぎていってしまった。
世界一、そして世界唯一。



そして実は、これがメインディッシュだと思う。

〆のリゾット。
空間の神は『エロス』に宿る

トリュフと同居させて香りを移した生米を
鍋の煮汁にさっといれ、ゆっくりゆっくりリゾットに仕上げていく店主。
いままでの全ての味の凝縮されたそのスープが
お米に閉じ込められていくのをワクワクしながら待つひととき。

店主はやおら残った白トリュフを刻み始める。
空間の神は『エロス』に宿る

あぁ、もう許してください。現世に戻れなくなくなりますから。。。


空間の神は『エロス』に宿る


艶々の旨みでプルプルしたお米の一粒一粒が名残惜しい。

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ということで、未来の自分も嫉妬してしまうぐらいの
濃厚なふぐと白トリュフとの逢瀬、約3時間。

どうだっ!やりすぎだぞっ!ぜったいそうだぞっ!