「リバプールからロンドンの車中で」
2月の中旬、仕事の縁でイギリスに5日間ほど行って来ました。
東京よりも緯度の高いロンドンはさぞかし寒いだろうと思って
いたら、滞在中はずーっとお天気が良く昼間は暖かいほどでした。
ロンドンとマンチェスター、リバプールと駆け足で巡ってきまし
たが、どの都市もその土地なりの空気とカラーがあって
とても情緒深いものがありました。
細かい話は追々するとして、ちょっとびっくりしたお話。
リバプールからロンドンに戻る列車内でのこと。
私たちの席の隣に座った紳士は、
それはそれはすてきな紳士でした。
紺色のブレザーに淡いピンクのシャツに
ベビーピンクの ポケットチーフ、
ベージュのパンツにキャメル色の革靴と、
日本人にはとてもまねの出来ない着こなしの方なのでした。
その紳士が席につくや・・・
鞄からクリスタルのショットグラスを取り出し、
テーブルの上にトンと置いたのでした。
(んんっ?)
そして鞄からジンのボトルを取り出し
グラスにトクトクとつぎ始める・・・
次にトニックウォーターのボトルをプシュッと開栓し
先ほどのジンを割る・・・・・
最後に取り出したパラフィンペーパーに包まれた
お手製のサンドイッチを ちょいとつまんで、
雑誌を読みながら クイクイッと飲りはじめたのでした。
あまりにも優雅な、見事なまでの自然体にそこが列車の中
だと言うことを忘れてしまうほどでした。
イギリス紳士恐るべし。
なにかが深いのです。この国は。
