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1カ月、64試合、171ゴールと数えきれないほどの物語。2014年ワールドカップが終了したが、今回もやはり地球上の人々を大いに楽しませる大会となった。「勝者」と「敗者」を挙げる形でブラジル大会を振り返ってみよう。

勝者:

1)ドイツ

単にタイトルを獲得しただけではなく、それにふさわしい戦いぶりでの見事な優勝だった。10年近くにわたるサイクルの集大成であり、その間ドイツのサッカーは国内においても国際舞台においても大きな成長を遂げてきた。

ユルゲン・クリンスマンの着手した仕事をヨアヒム・レーブが完結させる形で、ブンデスリーガ所属選手を中心として構成されたチームはグループステージを難なく突破し、決勝トーナメントでもすべての相手を順に片づけていった。「最高のチームが勝った」ということに関してこれほど異論のない大会は過去にも珍しいほどだ。

2)南米&中米勢

優れたタレントと統率の取れた守備を見事に組み合わせる形で、チリやコロンビア、コスタリカやメキシコといったチーム、そしてある程度はアルゼンチンも(守備陣にはそれほどワールドクラスの選手を擁するわけではないが)、成熟した印象的なサッカーで人々を楽しませて大会を盛り上げてきた。

チリやコロンビアが早い段階で開催国に(おそらくは戦いぶりに見合わない結果で)敗れて大会を去ったのは不運なことでもあった。アルゼンチンがチーム最高の選手の一人であるアンヘル・ディ・マリアを欠いて決勝を戦わなければならなかったことも。

ハメス・ロドリゲスとコスタリカは、今大会最大の良い意味でのサプライズだった。

3)アメリカ

ベルギーに敗れて悔しいベスト16敗退に終わったとはいえ、アメリカは2つの意味で今大会の勝者だった。ピッチ上においては、どんな相手とでも勝負できることを明確に示した。フィジカルの強さは周知のとおりだったが、戦術面・技術面でも大幅な成熟が見て取れた。クリンスマン(ドイツ人!)はここでも素晴らしい仕事をしている。

そして、アメリカ代表の戦いを後押ししたスタジアムやインターネット(ソーシャルメディア)上の熱気も新鮮であり、強い伝染力を感じさせるものでもあった。誰もが大会中のアメリカ代表に共感を抱き、彼らの成功を祈っていた。

敗者:

1)ブラジル

世界4位というのは決して悪い成績ではないはずだが、ブラジル人にとっては完全な失敗と屈辱の大会だったとして記憶されることは間違いない。マウリシオ・ピニージャの試合終了間際のシュートで敗れていた方がマシだったと思えるほどだ。チリ代表FWのシュートはクロスバーを叩いてブラジルを生き残らせ、より残酷な形での敗退へと導くことになった。

大会の最後の2試合で喫した10失点はブラジルのサッカー史に残る汚点であり、一部の選手たちが大会を通して見せた平凡なクオリティー(フレッジが絶好の例だが、ダビド・ルイスも最後にひどい2試合を演じた)は今後に不安を残すことになった。世界の頂点の座を取り戻すには苦労することになりそうだ。

2)欧州ビッグ3

世界で最も人気の高い3つのリーグ、プレミアリーグとセリエAとラ・リーガを擁する国の3チームはグループステージで派手に散ることになった。イングランド、イタリア、スペインの恥ずべきパフォーマンス(9試合で合計勝ち点7)は、3カ国におけるサッカーの発展状況と、世界中のタレントを集めるリーグの影響力について疑問を感じさせずにはいられない。

スペインにとっては世代の変化が主な理由かもしれないが、イタリアとイングランドにとってこの疑問は非常に深刻なものだ。真剣な改革が必要とされている警鐘として受け止められることを願いたい。

3)アジアサッカー

アジアを代表した4チームはブラジルで1勝を挙げることもできず、12試合で合計3ポイントという悲惨な成績を残した。おおむね安定していたイランの守備や、ケイヒルや本田のスーパーゴールを除けば、今回のW杯でアジア勢の戦いが記憶に残る部分はほとんどないだろう。

逆説的なことに、世界の人口の半分以上を擁する巨大な大陸であるアジアでは、サッカーの人気自体は大きく高まってきたところだ。だがこの数十年の発展にもかかわらず、ブラジルでの成績は、世界の舞台で望まれるような結果を出すためにはまだまだ多くの努力と奮闘が必要であることを情け容赦なく示している。