十三月の号令 | *小さな角砂糖*

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天尊降臨ヒムカイザー、ツクヨミ様、バービードール、ミニチュア、ご当地ヒーロー様、仮面ライダー、消しゴムはんこ、日常、など、内容ごちゃ混ぜブログになっております。(*・ω・人・ω・)♡


【 十三月の号令 】


それは十二月のその先にある
不思議な季節

終わらない冬と氷の世界。





とかいう
妄想500%のお話を
書いてしまった森の雪ですこんばんは
(*・ω・人・ω・)大好きなフォロワー様の
ツイッターの診断結果が面白くて
思わずピコーん!と浮かんだ
ざっくりとしたお話なのです。


いやん!クリスマスイブに
森の妄想お話いやん!!!
な方は

どぞどぞ子猫的な可愛い
サイドステップからのダッシュで
可憐にお逃げくださいませーー!!
メリークリスマース!!!!
(*・ω・人・ω・)✨✨✨✨✨



えー…もぅ。
わかったよー…
イブだけど5分だけつきあうよー…


な方はどぞどぞ
どーぞでございます。
(*・ω・人・ω・)キャ✨✨



    ❄  

  ❄   


     ❄


【 十三月の号令 】




「さっむ………」

部屋着のままで
寒さに震えながら
雪の中を歩くめっち


「いやいやいや
ないないない
夢でしょ…これは……」
呟いた声は
一瞬だけ白く漂い
あっという間に凍てついた空気に
消えた


さっきまで
ベッドに居たはずの自分が
気付けば
こんなところを
ひとりで歩いている。


変な夢…
こんな寒さまで
感じるなんて…



まわりには木と
風に舞う雪


夢にしてはほんとに
奥行きも綺麗に
再現されてるなー…

この寒ささえなければ
ほんとに綺麗

な…………



何気なく目を向けた
その木の向こうに




ケモノのような影が
ゆらりと立ち上がった

大きな体に
熊のような毛

前足にはギラリと光る長い爪が
雪の白とその向こうの闇にくっきりと
浮き上がって見えた




「え、うわ……何あれ…」
よろよろと木々の間へと後ずさる

しかし冷えきった足は
少し動かすだけで刺すように痛み
思うように歩けない


「いたッ……」


思わず小さく漏れた声に



「ガルル………!!!」


獣が反応した。


「ガルル…ガルル……ガガガ…!」


獲物を探すように
獣が低く唸る


「うわ、、こっちに来る…!!」


寒さと恐怖で
気が遠くなりそうな
めっちに



雪を踏む重たい足音が
近づいてくる


ざくり

ざくり…


めっちは
後ろの木に背中を押しつけ
「あっちに行って
あっちに行って
あっちに行って…!」と
目をかたく閉じ
祈り続けた



と、



風と雪が止まった



「…?」


かすかに暖かさを感じ
めっちは

そっと目を開けた



「!!!!!!!」


飛び込んでくる
視界いっぱいの
鮮やかな紅


獣がめっちの体を覆うように
後の木に手をつき
立っていた



お腹が赤い
………クマ……!!?!



「マイゴネ…」


めっちを見下ろしながら
獣が低く唸る


目をそらし
カタカタと震え続けるめっちに
獣はグイと顔を寄せ


再び

「マイゴネテ」

と唸った。



答えないめっちに


もう一度獣は
「マイゴヤッチャネ」と
低く鳴くと

次の瞬間



勢い良く身を翻し

風を、闇を、引き裂くように
いっそう大きな声で吠えた
ニーィチャーーン!マイゴンコガオオオォオオオオオオオオオオオオオル!
「キャーーーーーーーーーー!!」






そして一瞬の静寂の後





アァアアァアアアアア!??💢
同じくらいの咆哮をあげながら
木々の向こうから
また1つ大きな影が現れた。


「がるる!ががるるるるるるぐぁ!!」と
風の音に負けないうなり声をあげながら
ざくざくと近付いてくる


「オイオイヤットダレカイタト
オモッタラオレタチトオナジマイゴカ
ッテオイ!」

「ナンダソイツノカッコウ!!
コノユキノナカデソンナウスギ……
雪山舐めてんのかこんなこれ
風邪引き放題だろ!!💢💢」
「兄ちゃんこん子迷子じゃっちゃが
じゃから上着も着てないっちゃないと
足元スリッパじゃし。だいぶ冷えちょるし
いかん!気を失いそうじゃ!
ほら!しっかりせんね!!」 
「とにかく…早く風を防げる場所に…」


ケモノたちの咆哮の恐怖に
視界と意識をぐらぐらさせながら

獲物の所有権を
主張するように吠える獣2頭を前に、
めっちは意識を手放した


ケモノたちが実はケモノなどではなく、
うなり声も咆哮も、
実は言葉を喋っているのだと
めっちが気づくのは
まだ少し後の事になる


……………………………………………………………………………


パチパチと燃えるオレンジ色の炎を
めっちはただ呆然と眺めていた。
風を防ぐ、と連れてこられた
この狭い洞窟は
確かに外に比べれば格段に暖かく
めっちも少しだけ落ち着きを
取り戻すことができた。


とはいえ
部屋にいたはずの自分が
なぜ突然こんな
山の中に来てしまったのかは
さっぱりわからない

冷静に考えればこんなの
現実であるはずがない
夢ならばはやく醒めて欲しくて
めっちは
ギュッと目を閉じてみた。


「こいつはおそらく
オッタマゲートの仕業だ…」
「何かの空間に閉じ込められた
んじゃろうか」 

炎の向こうから
声を落としたふたりの話し声が耳に届き
めっちは意味もわからないまま
ぼんやりと聞いていた


さっきまで獣だと思っていた
このふたりは

意識を失っためっちを
この洞窟まで運び
火の側に座らせてくれた


はぁ、
小さなたき火なのに
こんなに暖かい
やっぱり「火」ってすごいんだなー…
遠赤外線とかだっけ……
ホッとするなぁ
あとここに温泉あればなぁ

あと、とりあえず
食べられなくて良かったー…
さっきはこわかったなー………






「しかし、罠だとして
どうして
やつら何も仕掛けて
来やがらねぇ。
…なあ、あんたは一体どこから………
あ!!!いけねえ!!ホオリ!!
そいつ眠らせんな!!」
「うわ!寝たらいかん!おい!!」
「ひゃ、ひゃあぁ!」ふいに両肩を
掴まれ強く揺さぶられ
めっちはふんわりとした眠りの淵から
引き戻された。


「この状況で寝るとかホントに…」
「寒ぃ場所から暖かいとこ来たから
眠くなったっちゃろね。
でん、ここは雪山じゃから
寝たらいかんよ」

前半は炎の向こうに、
後半は振り返りめっちに言う。

「わ、わかりましたわかりました
寝ません頑張りますッ!!!」

覚醒した視界に
急に飛び込んできた
赤い熊(ではないらしいが)に
驚きつつ、めっちは必死に答えた。


「兄ちゃんいつまでここに…」
「周りも、敵の出方もわからねぇんだ、
夜が明けるのを待ったほうがいい。
とにかく今はそいつを
……眠らせるな-!!!!」
「あ!うわまた
こん子寝よる-!!!∑(OωO; )」


その後
ホデリホオリめっちの
【眠っちゃ駄目だしりとり大会】が
開催された。
同じワードを言った言わないとか
「うどん……ん…を食べる……!」
「いやそれは無いて!」
「うるせー!」と、やや揉めだした頃
洞窟に声が響いた。




「ヒムカイザー!!!
どうやら2人はこの中だ!」

「2人とも無事か!」



洞窟に勢い良く飛び込んできた
虎のような何かと黒い衣の人物を見て

めっちが小さく飛び上がる。

それに気付いた熊が振り返り
安心させるように

「大丈夫、仲間じゃ」
と優しく言った。



「!…もしや
あなたは
ひむかの国の者か」

めっちの姿に気づいた
黒い衣の人物が問いかけた。


めっちが
「え、はい…宮崎人です。」と答えると


虎と黒い誰かは顔を見合わせて
力強く頷いた。



青い人の
「どういう事なんだ
ヒムカイザー」の声に、
虎が説明を始める。


「ここはオッタマゲート四天王
鬼河が作り出した 十二月の向こう
【十三月の世界】だ。 」



「何だって!」




………………………………………………………………………………




虎を中心に深刻そうに
顔をつきあわせる面々。

洞窟の中に満ちる緊迫した気配に
気づいてはいるものの

【きが】や【けっかい】など

めっちには聞き慣れない言葉ばかりで、
火の側に座ってただ漏れ聞こえてくる
話を聞いていた。



ところどころ意味はわからないものの
虎の話をまとめると

⚫私たちはこの十三月の世界に閉じ込め
 られている
⚫【十三月】を破るための【扉】を
 見つけたが、ひむかの国の者の
 【言霊】の力を使わなければ 
 【扉】を破壊できない。

と、言っているようだった。



「しかも鬼河は鍵となる言霊に
条件を付けて行った。
扉を開く言霊はそれを発する者の名と」

一同が見守る中、
虎は重々しく付け加えた



「それにちなんだダジャレだ」




「…は?」


青い人と熊の肩が下がる。




「遊びではない、そもそも
ダジャレは古来より魔を打ち払う
【打邪霊】が転じたものだ」
黒い人が静かに告げる。



その言葉に
めっちも心の中で


「そうなんだ!ダジャレって
そんなだったんだダジャレすごーい!!
っていやまさか☆」

とツッコミを入れながら
虎たちの方にをちらりと見ると



虎たちも全員



めっちを見ていた。




…………………………………………………………………………………



「うわ無理です!そんな責任の重い
ダジャレとか無理ですー!!!」

雪を巻き込んだ風の中、
熊に抱えられるようにして
めっちは【扉】の前に居た。


この世界から出るための
【扉】はやけに小さく
白く光る小窓のように
宙に浮かんでいた。


「急がなくては、この世界が
完全に閉ざされてしまう」と、虎。



「大丈夫、俺たちがついちょるよ。
とにかく言霊を言っちみない。」

「わ…わかりました」

熊に促され、めっちは
宙に浮かんだ小窓に



「…めっちが言いました。
ここめっちゃさむーい☆」 



キーーーーーーーーーーーン……


扉から妙に高い音が鳴り始める



「危ない!!」


めっちが言霊を言い終わると
小窓は一瞬強く光り
次の瞬間、氷の刃を放ってきた。





「え…」
とっさに熊が弾いた刃を見て
愕然とするめっち。



「…どうやら鬼河が設定した
レベル以上のダジャレでないと、
跳ね返されてしまうようだな。」

言いながら
めっちたちの前に立つ虎。

「よし、そういうことなら
跳ね返された分は俺たちに
任せとけ!」
真っ直ぐな青の背中も前に立つ。


「さぁ、次の言霊を。」
真っ直ぐに扉を見ながら
紫の手甲はめっちの前に置く
黒の背中


「で、でも…!」


「大丈夫じゃ。」
めっちを守るように抱えた手に
力が込められる。

「ここは、ちいと寒すぎるとよねー。
あん扉壊して、
みんなで、ヒムカん国に帰ろうや。」



………………………………………………………………………………



「うわ、もう無理です!
ごめんなさい無理です-!」

あれから幾度も跳ね返された言霊。

虎たちもさすがに力を奪われていた。

膝をつきながらも
扉から生まれた氷の刃を弾き、
盾になる虎たちを見て

いたたまれなくなっためっちは
思わず叫んでいた。






「大丈夫」


穏やかな声。
見上げると、自分を抱える
熊がめっちを見下ろしていた。


「大丈夫。やれるだけやってみてん
いっぱい言えば
どれかが当たるっちゃが」


傷だらけになりながらも
その声はのんびりと暖かい


「諦めるな」
「まだまだ行けるぜ」
「任せろ」



めっちは
宙に浮かぶ【扉】を見た。


傷だらけになりながら
自分を守ってくれた熊たち。


めっちの心に暖かい力が広がり
一つの言霊が浮かんだ。
「小窓開け…」




めっちは熊の腕をぎゅっと掴むと
大きく息を吸い言霊を放った


「めっちの 好きな食べ物は……
… …!!!!!!」



ひ、ら、けーーーーーぇ!!!

めっちの言霊は
扉を開く号令となり

たくさんのガラスが
いっぺんに割れるような音が
辺りに響いた。


小窓が粉々に砕けると同時に
そこから光があふれ出し
世界を白く溶かしていく

掴んでいた
熊の腕も薄くなっていくのを感じ



めっちは
慌てて熊を見上げた。
かろうじて見えた熊の顔は、
笑っているように傾げられ

「よぉできたねぇ。」と言った。

「ありがとう、あ、
ありがとう!あの…!!」
涙で声が詰まる


「でん」

めっちの言葉を、
涙をさえぎるように
熊はめっちの頭にぽんと手を乗せ

光の中に溶けながら


「□□□て。はっはっは」

熊は楽しそうに
めっちの言霊のオチを繰り返した。



いや、そもそもそちらが
ダシャレ言えって
言ったーー………………!!



バタン!
「きゃ!」「ひゃあ!」
椅子から落ちた姉を見つめる妹。


「めっちおねぇちゃん、
寝るならベッドで寝なよ~」



「え……」
床に手をつき
ふらふらと起き上がると、
足元にフワリと
柔らかな毛が落ちてきた。

「わ!おねぇちゃん
何でそんなにわんこの毛
いっぱいつけてるの!?
コロコロ持ってくるねー💦💦」



我が家の愛犬の毛とは
明らかに質の違う毛を見ながら
めっちは不思議な十三月の国と

そこで出会った優しい熊たちの
事を思い出していた






 

という
ばっきばきの妄想お話でした。
お付き合いありがとうございました
(*・ω・人・ω・)メリークリスマスッッ❄✨❄