~2024年5月11日の日記「日々のささやき」~

お子さん亡くなって、数年経ったお母さんと

ゆっくり話す機会があった。

私が出会ったのは、まだ日も浅く

表情にもつらさが漂っている頃だった。

 

その後、赤ちゃんが生まれ

とても忙しいだろうと遠慮していたが

お仕事も始められたので

ちょっと驚いた。

時間的に余裕などないだろうに。

 

で、今回教えてもらった。

なぜ仕事まで始めたのか。

そしたら、

 

「ん・・・ある意味、自傷行為」と。

 

あー分かりやすい、と思った。

世間的には

お子さん亡くなって、お子さん生まれて

どうにか折り合いついただろうか

と思われるかもしれない。

 

ぜんぜん、まったく、そうではない。

「確かに子どもが生まれたら、

忙しくはなりますが・・・」

ということだった。

 

忙しくはなる。

その子は可愛いし、大事。

でも、

亡くなった子のいなくなった空洞を

埋める要素が、次の子にあるわけではない。

 

だから仕事を?

 

仕事にも、埋めるような要素はない。

でも、体力的に、精神的に追い込むようなものは

家庭内になかなかなく、

緊張や、集中や、責任を伴う中に身を置くことで

どうにか生き延びる。

もっと言うならば、生き長らえていく。

 

大変・・・

 

それぞれ、立場、環境は違えど、

みんな大変。内面的には。

 

キラキラ キラキラ キラキラ キラキラ キラキラ キラキラ

 

「子どもができて良かったね」

「きょうだいがいるから、救いになるね」

 

よく、掛けられる言葉。

 

「いえ、そんなことありません」

と心の中では言うけれど、

「そうですね~」と受け流しています、

とよく会のお母さんたちからお聞きします。

 

確かに、他に子どもがいれば

「気を紛らす」理由はある。

でも、それは、子どもを亡くして

あいてしまった大きな穴を埋めることはできません。

 

子どものいない人は、

子育ては強制終了させられてしまったから、

他に「何か」を探す。

自分が長く生きたとて、

それが何になるのか分からないまま…

 

仕事をしたり、

「趣味」に没頭したり、

私のように、会のお手伝いをしたり…

 

みんな、それぞれの場所で、

精神的に、体力的に

自分を追い込んで、

なんとか感情を押し込んで、

生きながらえている…

 

生きながらえても

わが子の肉体は戻ってこない。

 

それでも、

わが子の存在を、

今、この瞬間、

「ここに居る」

ことにできるのは

親の私だから。

 

そのためだけに、

自分を追い込んで、

感情を押さえつけて、

そうやって

私は生きながらえているように思います。

 

子どもを亡くした親・家族で構成しているセルフヘルプグループ「小さないのち」です。

会の代表が20年以上前に突然の病気で1歳の娘を亡くし、「同じ境遇の親御さんと会いたい!」という一心で、インターネットもない時代に、手探りで作った会です。

以来、当事者による、当事者のための会として活動しています。

 

対象は生後1日から独立以前のお子さん(成人を含む)です。

対面・オンラインでのわかち合いのつどい、オンライン掲示板、会報の発行、その他会員が希望することを通して、語り合いながら、交流しながら、ゆっくりと、それぞれに、心を回復し、この先の人生の意味を見出すために、共にあゆんでいければと思っています。

 

ご夫婦や、男性お一人の会員さんもいらっしゃいますので、

男性の方も、どうぞお気兼ねなくご連絡ください。

 

今、辛く、悲しく、苦しい日々を送っている方々に届くことを心から願っております。

会の詳細、お問い合わせ先、過去の「日々のささやき」は会のHPをご覧ください。