小さい田んぼ

小さい田んぼ

小さい田んぼのこと、小さい畑のこと、小さい町のことなど、小さい出来事を綴っていきます(たぶん;)

国民は知らない食糧危機と財務省の不適切な関係」

鈴木宣弘・森永卓郎 著

読了しました。

 

 

鈴木先生と森永先生の対談本。

とても読みやすくおもしろかった。

鈴木先生は、相変わらず日本農業の厳しい現実とその背景にあるものを

鋭くわかりやすく指摘。

森永先生は、経済的視点と日本政府内のパワーバランスから

省庁間の力関係によって予算が決められることで

現実離れした政策がまかりとおっているとの解説。

 

食糧自給率の異様な低さに危機感を持たない政府と国民

「食糧は安く外国から買えばいい」!?

世界の食糧庫と言われるウクライナへのロシア侵攻

コロナ禍、異常気象、中国食糧爆買いといった

クワトロショックの現実

世界の食糧情勢はそんなに甘くないと指摘する。

食糧が輸入できなくなれば

餓死の危機にまず直面するのは

東京大阪のような大都市の人たち。

 

また、現在の日本経済はバブル状態にあり

このバブルは2025年頃破綻するだろうとの見方

そして今の新自由主義的資本主義が終焉し

新しい価値観、本当の暮らしの豊かさを求める社会が生まれるだろう、とも。

 

わたしの周りでも

農業や農村をめぐる厳しい現実を日々目の当たりにし

ときどき気持ちが萎えて希望う見失う日もありますが

この本読んで希望を見い出し、少し元気が出た。

 

わたしが就農したのは2011年大地震の年。

3月11日の地震発生時は、通いで畑の開墾してた時

あれから13年

予想以上の速さで高齢化しての離農と耕作放棄地が増えて

ゆっくりのんびり暮らしを楽しみながら農業しようと思ってたのが

田んぼや畑や山林の手入れや保全に追われて

自分の暮らしは後回し。

 

就農前

農家の人たちからは

「農家は大変だからやめた方がいい」

行政からは

表立っては新規就農者歓迎と言いながら

窓口に行くととけんもほろろな対応に何度も肩を落とした。

あきらめようかと思った時、行きつけの床屋さんに

「今しかできないことがある」と背中を押してもらった。

自分の中では

「真面目にコツコツお米を作って暮らしていけないなら

そんな世の中の方が間違ってるのだから、そんな社会は滅びてしまえ」

農業を始めた時はそんなことも考えてた。

 

現状、本当にそんな時代が来たと、思える時もある。

「夜明け前が一番暗い」

今がその時なのかもしれない。

 

今年も今まで通り

田んぼを作って

田んぼの世話をして

機械のメンテナンスととかもしながら

収穫までがんぼろう。

畑にも

芋とか生姜とか落花生とか植えて秋を待とう。

 

田植えはあと少し。