読書好きの私は、今回芥川賞を受賞した九段理江さん(33)の下のニュースを見てびっくり!

 

芥川賞の九段氏 生成AI駆使し執筆 - Yahoo!ニュース

 

「今回の小説に関しては、だいぶAI、つまりチャットGPTのような生成AIを駆使して書いた小説でして、おそらく全体の5%くらいは生成AIの文章をそのまま使っているところがあるので。これからも利用しながら、かつ利用しながらも自分の創造性を発揮できるように、うまく付き合っていきたいと考えています」

 

記事によると誰にも言えない悩みも”人工知能だったら話せるかな”と相談するときがあるそうだ。

「AIの導入により日本の労働人口の49%の仕事が10~20年以内になくなる」と、野村総研とオックスフォード大学の共同研究によるレポートの発表があってから丸9年。

当時、AI=人間の仕事を奪う悪い奴というイメージを強烈に植え付けられてしまったアラフォーの私ですが、九段さんのように巧く活用することで仕事が効率化されていけば、AIも悪い奴ではない、むしろ良い奴なのだなと感じました。

 

いよいよ今年4月から国主導で「医師の働き方改革」の新制度が施行されます。

それでも、ケガ・病気、出産は待ってはくれません。どうカバーしていくのだろうと思いますが。

上記のレポートで医師は「人工知能やロボット等による代替可能性が低い100種の職業」に堂々明記されているわけですが、全部とはいかないまでも、所々でAIを活用したらいかがでしょう。AIなら、いい医師=医師の理想のひとつかふたつは叶えられるかもしれません。

 

例えば、外来はAIが担当して、タッチパネルで問診、インプットされた膨大な症例の中から「あなたの病気は〇〇です」と、患者自身が事前に選択したお好みの声(男性ボイス or 女性ボイス or アニメボイスとか?)で診断を伝えてくれる。AIなら、医師との相性が合わなかった場合に「具合が悪いのに、気分まで悪くなった」とならないで済みます。AIなら、患者の気が済むまで、いつまでも話を聞いてくれ、わかるまで説明してくれます。ひとりひとり扱いも診断も限りなく平等です。

そうして病院はやがて「入院・手術をする場所」に変わって、オンラインで診断と処方箋までは済んでしまうかもしれません。

 

そんな好き勝手なことを書いている途中、昨年11月28日朝日新聞朝刊の「天声人語」をふと思い出しました。一部抜粋します。

 

手塚治虫は、締め切り当日なのに、代表作『ブラック・ジャック』が手つかずだったことがある。他の仕事を片づけた徹夜明けの脳みそで、手塚は土壇場から複数のあらすじ案をひねり出す。―

作品の為なら時間も労力も惜しまない。鉢巻きをしめ、ペンを走らせる。―

最新号の週刊少年チャンピオンで、AIを使って描かれたブラック・ジャックを読んだ。機械の心臓を持つ少女の病気に挑む話だ。

過去作を学んだAIが、人の求めに応じたシナリオ案を示し、新キャラクターの原画も作ってくれたそうだ。―

かつての作品に、主人公が恩師の医者から問われる場面がある。「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんて、おこがましいとは思わんかね」。同じセリフをAIが書いたら、人は感動を覚えるだろうか。

 

前述のように外来をAIが担当したとして、もし重篤な症状と考えられる場合だとしたら、AIはそれをどうやって人間に伝えるのだろう。

淡々と、自分が選択したお好みの声ではっきりと診断結果を伝えられて、

「治療には苦痛をともなう可能性があります」

苦しみも痛みも知らないだろうに。けれども、こちらの求めに応じて搭載されたテンプレートの励ましの言葉でもかけてくれるのかな。

「お大事に」

なんだかな~。

患者の立場からして、人間の生き死にの話をしてくれるのはまだまだ人間のお医者さんでいてほしいと思っちゃう。だからいつまでも代替が叶わないのか。

 

長々と書きましたが、大病院で超多忙にもかかわらず優しく穏やかに接してくれた主治医のT先生は、私にとって「いい医師」です。感謝しかありません。ありがたや~。

だけど、ちゃんと休んでほしいです。ほんと。

そのために私ができるのは、自分の思う「いい患者」でいること、それだけ。