子供の脳の発達と「知育」について | チイク - 知育協会 公式ブログ

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私たち、大人の脳は、重さにして1200gの臓器です。その脳はどのように成長していくのでしょうか?



ヒトの脳の始まりは、妊娠3週目ころと言われています。そして、妊娠2~4ヶ月には脳の原型が出来上がり、妊娠7~8ヶ月くらいになると大人の脳と見た目は同じようになります。

人間の神経系は、大脳、脳幹、小脳、脊髄、末梢神経で成り立っているのですが、人間以外の動物と大きく違うのは大脳です。ですから、赤ちゃんの成長で、一番注目するべきなのは、大脳の発達ということになります。

赤ちゃんの大脳には140億個の神経細胞がありますが、この数が多いとか少ないとかが「脳力」を決めるわけではありません。
大事なのは、大脳の神経細胞が他の神経細胞と複雑なネットワークをつくり情報をやり取りすること。この神経細胞の結びつきは、まるで、FacebookなどのSNSのように友達がつながっていくようなものなので、これが「脳が発達した」ことの本質です。



生まれたばかりの赤ちゃんは、ほとんど働いていません。見ること、聞くこと、しゃべること、手足を動かすこと。大脳の神経細胞ネットワークが出来上がっていないので当然のことです。

しかし、赤ちゃんにも熱いものを触った時に手を急に引っ込めるような行動、すなわち反射と呼ばれる機能は備わっているのですが、これは大脳以外の脊髄や脳幹が働いていることです。



それでは、このネットワークを発達させるにはどのようにすればいいのでしょうか?



それは、赤ちゃんにいろいろな外部からの刺激をどんどん繰り返し与えることです。そうすれば、神経細胞のネットワークは密になっていき、「学習」していくのです。


人間には、外部からの刺激を受け取るセンサーである感覚器が備わっています。
見ること(視覚)、聞くこと(聴覚)、触れること(触覚)、嗅ぐこと(嗅覚)、味わうこと(味覚)、聞くこと(聴覚)をとくに五感と呼びます。



この五感を最大限利用して、脳へ刺激を入力、学習することが、脳の発達の第一歩です。


この五感は、それぞれ完成する時期には差がありますが、一歳までにはほぼ完成しています。
感覚だけではなく、体を動かす脳の回路も一歳くらいまでには完成すると言われていますから、なるべく早い段階でたくさんの刺激を脳へ入力させ、そして詰め込むだけではなく、体をたくさん動かしたり自ら考えさせたりすることが、「知育」に一番必要なのです。



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知育協会代表
菅原 道仁


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現役脳神経外科医。杏林大学医学部卒業後、クモ膜下出血や脳梗塞といった緊急の脳疾患を専門とし、国立国際医療研究センター、北原国際病院にて数多くの救急医療現場を経験。外来診療は月に1500人を診察することも。現在は、「病気になる前にとりくむべき医療がある」との信条で、新しい健康管理方法である予想医学を研究・実践している。日本健康教育振興協会会長。脳神経外科医専門医、抗加齢医学専門医、日本体育協会公認スポーツドクター。


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