少しずつ進行している②

認知症の母、74歳。

膵臓癌からの肝臓転移、ステージ4、要介護5です。

病院併設の有料老人ホームへ入居しました。

母が頻繁に腹痛を訴えるようになり、以前入院していた大きな病院へ検査を受けに行きました。

『少しずつ進行している①』

検査や診察を待つ時間が長く、その間にどんどんと母が不穏に。

「どうしよう。どうなるのかしら。ここに入院するの？家はどうなるの？どこに帰ればいいの？」

体調が悪いのでしょう。先生にどうしたらいいか聞こうね、と言うと

「そうよね」

と言いますが、またしばらくすると「どうしたらいいの⁈」を繰り返す。

後半には車椅子から降りて病院を出て行こうとしてしまう

どうにかなだめていると、診察の順番が来ました。

入院していた時の主治医の先生ではなかったのですが、爽やかな優しい話し方をするイケメン先生で。

検査結果としては、特に他に問題が起きているわけではなく、癌の進行による炎症とそれに伴う痛み、発熱だろう。

何か処置が出来るものではないので、点滴と痛み止めをしていくしかない、ということでした。

母も神妙な面持ちで一緒に聞いていたのですが、理解はしていなかったと思います。

出来ることは変わらないが、ここに入院することもできるし今の施設でも同じ対応出来るかどうしますか？と聞かれ。

「感じの良い先生ねここに入院しようかしら」

…ここに入院してた時、あんなに病院のこと悪く言って、「ここを出してくれ」と泣いて騒いでいたのに

母はそんな調子でしたが、施設へ帰ることにしました。

最後会計も結構待ち時間があったのですが、受付の壁にかけてあるAEDのリュックを見て

「あれ、うちのリュックよ！持って帰ってちょうだい！」

を連呼して、これには笑ってしまった

本人は怪訝な顔をしていたけど。

つづく