命尽きれば
ただの器
ただの脱け殻

頭の片隅で
分かってはいても

まだ温かなキミに触れ
「眠っているようだね」
と囁く人に相槌をうち


冷たくなってしまった
キミに触れては涙する


キミが焼かれる時には
おかしなことに
諦めや安堵に似た感情が湧き


もはや誰のものか
分からなくなってしまうほど
小さく砕かれたキミを
マジマジと眺め

白の神秘の前に
ただ ひざまづく



人としての感情は
キミと一緒に白い壺に納めたよ
こうしているのが奇跡


空の上で
キミを可愛がってくれたあの人を
見守っていてね

わたしはキミに
「ありがとう」
ただその言葉だけを贈ります

晴れた空に向かって晴れ