森の奥へと走る
メイとマイ


ゾウに
行く手を阻まれた


その瞳が見つめるのは
若き狐


"連れていくのか?"
とゾウが訊く

"まだ幼いではないか
護りきれるのか" と


見た目で判断など出来ぬ
護られているのは
私の方なのだ


"その者はお前の何なのだ"


この子は

この子は


「わたしのカタワレだ!」



この先の景色を
見る覚悟があるなら
進むが良い


ゾウの大きな鼻が
道を指す



カタワレ…

そうだな
お前は私のカタワレだ


メイの固い顔が
少しだけ緩んだ


さぁ行こう

我らを呼んでる声がする