この日は旅立たれた美容の先輩を偲ぶ会でした。
20歳頃からお付き合い頂き、もう思い出が沢山有り過ぎて。
アシスタント時代はよく飲みに連れて行ってくださり、
沢山の方に出会わせて頂きました。
私の初めての師匠である永塚克美氏のサロンである乃木坂の「HEADS」でお仕事をご一緒させて頂き、六本木に移転になり、別のサロンで働かれるようになっても度々お声をかけて頂き、また飲みに連れて行ってくださって。
結婚した時はドンペリを頂いたなぁ。
(もったいなくて有り難過ぎて未だに手をつけていない!)
独立したいと思った時には一番に相談して。
GO-ROCKETをオープンした時は他の先輩にも声をかけてくださって初日に駆けつけて頂きました。
ヘアメイクのレッスンで呼ばれたり
私を撮影のモデルに使って下さったこともあったなぁ
「皺が取れないぞ!」とか言われながらw
子供達が生まれたときもそれぞれに思い出があり
息子が生まれて障害を伝えた時は「神様は乗り越えられない課題は与えないんだってよ」と。
とても厳しい先輩でしたが
一人一人の輝いているところを見過ごす事なく周囲の人達に特大スピーカーのように伝えてくださった。
若くて自分に不満ばかりだった私は一つでも認めて頂いた事がとても嬉しかったなぁ。
亡くなる数日前、初めて手を握りました。
私が勝手に手を握ると
ふっと笑って
「仕事してる人の手だね」と。
掌か大きくて指の関節が全部太くて
ドライヤーだって片手で2台を余裕で持ててしまう、
マッサージすると全く力を入れていなくても「凄い力ですね」と言われ、
指が細くてネイルが映える綺麗な女性の手とはかけ離れた36年間美容師をしている私の「手」を
こんな風に感じてくださいました。
最期の最高の褒め言葉と受け止めました。
昭和のどんな俳優よりもカッコよかった。
ショートホープも似合ってたなぁ。
道を外れた言動には容赦なく鉄拳がとび、
私にも「お前‼︎男なら殴ってるぞ‼︎」って言われた事もあったなぁ。
私は言葉を知らず失礼な事ばかりで酷かった。
この日はそんな先輩を語りながら朝になりました。
残して頂いた大切な事を心に刻み
これからも精進していきます。
ありがとうございました。
椵千穂