↑の続きなのですが...ラストまで仕上げていたモノが不慮の事故で全て消えました
ちちちちチクショーーー!!
もうやる気が削がれました!なので続きは書きません!!
とは言いませんッ。内容を大幅に削ってでも、テキトーにしてでも完結させてやるぜっ。
以下続き!!
◆
「おはようございます」
「あっ!どう?聞いた?」
翌朝、案の定トクエはそう聞いてきた。
挨拶するよりも先に。
顔が引きつりそうになるのを抑えつつ、ユミホは南の島の夢を見たと話す。
CDのパッケージは海の写真で波の音が収録されたものであるし、海の夢を見たところで不思議ではない。
「あら!ハワイとかかしら?羨ましいわ~」
「いえ、ハワイではなかったですね」
咄嗟にハワイを否定したことが自分でも意外だった。
どこの島かもわからないのに。
観光地化はされていなさそうで、でもヤシの木とかがあって...ユミホは夢の記憶を手繰るように情景をトクエに話す。
「あぁー、この商品何%引きにしたらいいかしら」
「.........」
咄嗟に、心の底から怒りが吹き上がって来た。
自分から持ち掛けておきながら人の話を聞かないトクエ。
アタマヲウチヌイテヤロウカ...!
トクエの視界に据わった目のユミホは入っただろうか。
「おはようございます」
「ぁ、あ!マネージャー、おはようございます」
ハッと我に返るユミホ。
今の感情は、単なる怒りではなくドス黒さを伴うものだった。
「あーーー!ムカつく!」
スタバのトールキャラメルスチーマーウィズホワイトモカシロップウィズエクストラホイップクリームを片手に帰宅したユミホはバッグを床に放り出してソファに倒れ込む。
トールキャラメルスチーマーウィズホワイトモカシロップウィズエクストラホイップクリームを煽り、放り出したエコバッグからアプフェルシュトュルーデル を取り出してかぶり付く。
脂質と糖質が絡み合い血糖値が弾け、そこでようやく怒りは収束していった。
「.........」
南の島 有名
ユミホは何となくスマホで検索をかけてみる。
ハワイ
バリ島
モルディブ
タヒチ
フィジー
セーシェル...
どれも違う気がした。
これらの島に行ったことがあるわけではないのに、なぜ違うとわかるのだろうか。
ボンヤリとスマホを弄り続けわかったことは、南の島とはつまり赤道付近や南半球の島々を指すのであって、太平洋だけでも数千...すべてを含めるとその数は数万もあるということ。
では南の島ではなく南に位置する島国だとしたらどうだろうか?
ユミホはなぜこんなにもシツコク夢で見た情景に拘っているのか、自分でもわからなかった。
"オセアニアは南太平洋の島々が多く、南に位置する島国が非常に多いです。"
フィジー
サモア
トンガ
キリバス
パプワニューギニア
ナウル
パラオ...
「パプワ...ニューギニア、...ナウル、パラオ...」
急上昇した血糖値のせいだろうか、いや、確実にそのせいだろう。
襲ってきた眠気に手からゴトリとスマホが床に落ちる。
「...パプ...ギニア......」
どんな国かはよく知らない。
南の島の風景よりも先に様々な部族の特徴的な外見の方が印象的だ。
行きたいとは思わない。
興味も特にない。
しかし、子供のころから世界地図や地球儀を見るたびに何となくその名前を意識してしまう国でもあった。
「......ニュー...」
ニューブリテン島。
それがあの島の名前だ。
悪夢のせいか血糖値のせいか、はたまた怒りのせいなのか。
目覚めれば心臓は異常な動悸を刻んでいる。
「...クソ野郎が...!!」
床に転がっていたスマホを拾い上げ、ユミホは床をガンガンと殴りつけた。
ひとしきり床を殴りつけると画面を確認する。
スマホは意外にも頑丈なのか、特に壊れてはいないようだ。
次いで素早い指さばきでそれを操作し始めるユミホ。
「.........あ、もしもしぃトクエさん?ごめんね、こんな時間に。
あのね、ニューブリテン島って覚えてる?
...はぁ?知らない!? てめぇふざけんなよ!おいっ!お前みたいな奴が同じ隊だと命がいくつあっても足りねぇといつも思ってたぜ!足手まといのクソ野郎がッ!
いや、馬の糞にたかる蛆虫野郎がっ...!俺はなぁ、知ってるんだぞ。あの時お前が...ッッ」
いつの間にか通話の切れているスマホをユミホは思い切り床に叩きつける。
それはとうとう砕け散った。
ユミホは仕事を辞めた。
そして今は、PTSDの治療に通っている。
◆
...おわり。
ユミホ可哀想...まーたトクエが余計なことをしたばかりに...
最初に書いていたオチはユミホがなぜあそこまでトクエにイライラするか、↑のオチよりしっかり書いていてしかもホラーなラストだったのにぃ。
ラストの意味が分からなかったらニューブリテン島でググるとなんとなくわかると思います。
あと、スマホが砕ける描写と玉砕を掛けてます...って自分で説明すな!って感じなんですが...
読んでくれてありがとう。
ちほら先生の次回作にご期待ください(まだ懲りてないわよっ)