色で表すなら灰色だと思った。

高齢者の姿ばかりが多く中年ビジネスマンの目は生気に欠け、たまに見かける若者は皆一様に首を前に突き出し俯きながら歩いている。

特に魅力のない灰色の世界。

気晴らしに入った本屋では本日発売らしい雑誌が平積みにされている。
表紙からしてオカルト雑誌のようだ。


『月刊ヴー』


しばしそれと対峙した後、一冊を手にレジへと向かう。

今月の特集とやらが気になったのだ。


『特集:火星人は実在するか!?』


今日はこれを読みながら一杯やろうと、帰りがけに頭付きのタコも調達した。

六畳一間の部屋に戻るとドッカと胡坐をかきまずは巻頭カラーから読み進め、
ページを捲る合間にタコを食いちぎる。


興味をそそられた特集もまぁこんなものかといった感じで、あとはパラパラとなおざりに目を通していると
ピタリと止まる指。


『瞑想で宇宙の旅に出よう!』


...ほう。

何々、座り方は...胡坐とは違うのか。
足を...こうか?

目を閉じリラックスして呼吸に意識を集中させるのか。

...
....
......


「ハッ...!」


24:23


まさか6時間以上も経っていたとは。
 

...今から夕食の準備をするのは面倒だな。

デリバリーを頼むべく、目を閉じ注文の品を吟味する。

期間限定のbじえUとレKmいWのピザか、美味そうだ。

目の前に映し出される鮮やかな赤いピザ。

それを選択し住所と支払情報を飛ばしたその数秒後、インターホンが鳴った。


「こbヴぁr!つえyをlピザです!
火星市マーズfhi-n2#のgtw$”kふぉ様でお間違いないですか?」

「そを%。ご苦労さん」


配達員はご丁寧にかぶっていたキャップを取って頭を下げる。
襟足だけを残したスキンヘッドで、長く残された毛は赤い。

まるで、さっき瞑想中に食べたタコとかいう生物のようだった。

しかし、瞑想の中で瞑想をするとは。

特に魅力のない場所へのトリップだったが、その星では薬を使わずとも瞑想旅行ができるテクニックが

あるらしいということは収穫だった。


だが、薬で簡単にトリップできるというのにテクニックなど必要だろうか。


「......」

 

テーブルの上の小瓶。


『地球』


「o#<skn...」

薬の瓶に貼ってある馴染みのない文字を、おw”はたどたどしく口にしてみた。


.おわり.

 

 

どうした急に!?
SS書いてみたの(笑)文才の無さが露呈したわね。前からか。

 

この男は火星人なのでしょうか?

 

それとも薬をやりすぎてラリっている地球人なのでしょうか?!(笑)