知り合いの紹介がきっかけで今年度までの3年間、小学校で児童さんに伝承遊びをお伝えいたしました。6月から翌年2月の週1回、年間通して20数回(1年目はコロナで回数少なかった)、放課後後の1時間。年度初めに希望者を募集する形です(3年目は年度途中募集もありました)。1年目は3名、2年目は5名、3年目の今年度は8名の子どもたちが参加してくれました。
♬〇〇ちゃん あ・そ・ぼ
ー い・い・よ
とあそびはじめの呼びかけをしたり、
こま・お手玉・竹返し・まりつき・ゴムとびなど道具を使ったあそび、なべなべそこぬけなど道具を使わないわらべうたあそびをご提供しました。
小学校に上がる前にやっていたようで初めからこまやあやとりが上手な低学年のかたがおられたり、日常おうちで兄弟の世話など様々経験しているからかなと思われるほど初めての遊びもすぐに習得する中学年のかたがおられたり。こちらの想定またはそれ以上の、ある意味成果を表してくれたときは感動しました。
2年目になると児童さんが教室を飛び出したり困ったことがたびたびあり、3年目はさらに輪をかけてトラブルの連続。私一人の力では安全が守れないと判断、今年度で引き下がることにいたしました。
「伝承遊び、来年はもうしないのよ」と告げると一部の児童さんは「えーー⁉」とショックを受けた様子。次の学年でも伝承あそびをやると心に決めていたようでした。
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困った行動をしていた児童さんがあるとき、少し笑みを浮かべながらつぶやいた様子が忘れられません。
「こんなことをするのは ここだけなんだ」
小さい時から何かと制限され、子どもらしく自分らしく自由奔放にできなかったのかなと想像すると胸が苦しくなり、できることならもっと広い空間で思い切り羽を伸ばすことをさせてあげられたらと思いました。
また別の困った行動をする児童さんは、休日はいくつも習い事に行っているとのこと。休みの日でさえ自由にできずゆっくりできない状況…。その理由で困った行動をしてしまうのかなと想像しました。
あくまで私の「想像」であって、本当のところどんな風にどんな思いで過ごしているのかと聞くことはできませんでした。しかし、陰のある表情や困った行動からどんな背景があるのかと思い巡らせてしまいました。思い違いがあるかもしれませんが…
「もっと自由を‼」
彼らは心で魂でそう叫んでいるような気がしてなりません。
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乳幼児の間は可能な限り子どもに自由を与えてあげることは、大人の重要な役割なのでは…。
小学生になり小さい頃でしてもらえなかっただっこを取り戻そうと大人に要求しても、身体が大きくなったため抱えてもらえなかったり、要求度が高く複雑化し大人が受け止めきれない状況になるような気がします。
少子化と言われ続けてずいぶん久しくなったのに、少ない子どもが大切にされていない現状…。
子どもの本質を見つめ、子どもの自由と健全なしつけが今ものちも非常に大切なことには変わりないのではと考えています。
折しも昨夜、NHKクローズアップ現代で『教育虐待』についてのレポートが。当事者の辛い思いを知る貴重な機会でした。
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子どもの目にもお金がどんどん流れていくのが見えるテーマパークのようなところよりも、子どもの目に直接的には見えないところである家庭や児童公園といったところにこそ、子どもが健全に育つ大事なものがあるのではないかと、今ぼんやり思いつつあります。
もちろん、家庭への補助や児童公園の整備にはしっかりお金をかけなければならない、それが大前提です。
現代はすでにクレジットカードやなんちゃらペイが主流…。子どもがお金の流れをリアルに見て体験するということが難しい時代になってしまいました。買い物ごっこでもスマホをかざし「ピッ」…。子どもの金銭感覚はどうなっていくんでしょうか…。
兵庫県まちの子育てひろばアドバイザー
木村ちひろ