中身濃くとても充実した時間だったので、なかなかアップできずにいました。

令和5年1月21、22日に鹿児島県で開催された「NPO子どもと伝承遊び学会 第3回大会」に参加させて頂いたのです。本当に夢のような時間でした。


 

保育士志望の学生さんにこままわしを必修としている大学の先生、土、水、樹木など自然に触れる保育を重視している園長先生、鹿児島の地元のわらべうた遊びを伝承しているかた、お手玉とけん玉のパフォーマンス、凧揚げに熱い思いを持つ先生の指導で参加者全員が連凧を作り、空に舞い揚げた光景…。幅広く奥深く、感動の連続でした。

 

 

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ひとつひとつの濃い内容をご紹介したいところですが果てしなくなりそうなので、次の2点を書かせて頂きたいと思います。

 

ひとつ目は、

「何もしないことを、する」

ということ。

 

子どもの替えうたについてのお話の最後のほうで登壇の先生が言われました。

『濃い内容』とは真逆のように思われそうですが、私には非常に衝撃的な言葉でした。

(以下、先生のお話を元に私の思いを私の言葉で書いていますm(_ _)m)

 

私はこれまで、手遊び、集団遊び、伝承玩具遊びなどを子どもに体験させてあげて経験値を高めてあげて、ふるさとの遊び文化を全身で楽しませてあげて、そして自信をつけさせてあげたい…とやっきになっていました。

 

が、

 

♪瀬戸ワンタン 日暮れテンプラ… 

♪ある~ヒンケツ 森のなカンチョウ 

のような子どもが作った替えうたをうたう時 子どもはそういったことを特にねらいとはせず、『今、たった今!』ただ自分たちがおもしろければいい、気持ちを発散できればいい、という潜在的な思いでうたったのかもしれない、と感じました。

 

誰の作か知らずとも、替えうたを耳にした当時の子どもたちに大ウケし、口伝えで広まったのでしょう。まりつきうたの ♪ぼんさんあたまは まるたまち… もそうかもしれません。私も ♪インドの山奥でんでんかたつむり… と愉快な心持ちでうたったのを覚えています。小学校時のある男子はドラえもんの歌の後半 ♪…あんあんあんころもち 食べたいなにぬねの とうたってましたね(*^-^*)

 

 

替えうたというものは、何かの技が成功するわけでなく、何かが目に見えて出来上がるわけでもないです。でも歌詞を自分たちになじみある言葉に変えて、おもしろおかしいものとして完成度を上げています。口に出すと大人が眉をひそめそうな下品な言葉も使ってしまうことも。子どもらしさがほほえましいです。

メロディを少し変えているケースもありますが、テンポもよくうたいやすくなっている。無意識に音楽性を保とうとしているのかなと感心します。

 

自分が置かれた苦境を「くそ!あっかんべー」するかのように、心の中だけでも逆境の克服を狙っているうたも。戦時中の過酷な生活の中で子どもは耳にする軍歌をおもしろおかしく替えたそうです。そのユーモア精神とたくましさに驚かされます。

 

 

 

「何もしないことを、する」

それは、

野原に寝転んで青い空を眺め、ゆっくりと流れる雲をただ見ている

そういうことも子どもにとっては遊びのひとつなのかなと思わされました。

 

 

替えうたをうたったり、ボーッと過ごしたり。

 

 

身体を動かし、できることが増えることも大事ですが、

子ども時代には「何もしないことを、する」という時間もとても大切なんだろうなぁと気づかされました。

 

 

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二つ目は次回に…。

 

 

兵庫県まちの子育てひろばアドバイザー

木村ちひろ