田中稔:さて、先ほど紹介した【外貨建て保険】とは一体どんな保険なのかというと、まずは大きな特徴として、支払った保険料が米ドルや豪ドル、ユーロなどの外貨で運用されることじゃ。
そのため、将来的に保険金や解約返戻金を受け取る際に、それらの外貨で受け取ることができる。
そして、保険料は外貨で運用されるから、為替相場の影響を受けることになる。
例えば1USドル=156円で、100万円分の保険に加入すると、約6,400 USドルで運用されることになる。
もちろん保険料は運用でも増えてはいくが、この6,400USドルは、円安になれば100万円を上回る場合もあれば、円高の影響で下回る場合もあるのじゃ。
佐藤実(主人公):為替の影響で、こんなにも差が出るのですね!!
続いては、外貨建て保険のメリット・デメリットについてじゃ。
先ほど説明した為替の影響は、メリットでありデメリットでもあるため、これらは表裏一体の関係なので割愛する。
メリットとされているのは、円で運用される保険に比べると、利回りが良いところじゃ。
例えば、ある生命保険会社の外貨建て保険では、積立利率(=利回り)が年1.5%を最低保証すると謳っている。
日本の定期預金が0.01%なので、150倍の利率で運用されることを考えると、多くの日本人からすれば、『定期預金に預けているよりも、お金がたくさん増える』と考えてしまうだろう。
確かに、年1.5%もお金が増えると保証されていることは、とても魅力に感じてしまいました。
外貨建て保険の積立利率が他の保険よりも高く設定されている理由としては、日本円で運用される保険の多くが、日本の国債で運用していることに対して、外貨建て保険は、アメリカやオーストラリアの国債で運用しているところにある。
運用されている国債が違うだけで、そんなにも結果は違うものなのですか?
大いに違いがあるのう。
アメリカやオーストラリアの国債は、現在も年利4%以上で増えている一方で、日本の国債は0.8%〜1%あたりを推移している。
およそ4倍以上も利率が違うのじゃ。
なるほど…。長期で見たら年利が4倍も違うのは、大きな差になりますね。
田中さん、ここまでのお話を聞くと、円安状態であることや、日本の保険よりも利回りが良いなら、少しでも早く外貨建て保険を始めた方が良いのではないでしょうか?
佐藤君のいうように、一見すると外貨建て保険はとても魅力的な保険に感じてしまうが、実は大きな問題点があるのじゃ。
君が外貨建て保険の問題点を知ったとき、今とは大きく考え方も変わってくるはずじゃ。
次回に続く
まとめ
- 外貨建て保険の特徴は、支払った保険料が米ドルや豪ドル、ユーロなどの外貨で運用されること
- メリットは、円で運用される保険に比べると、利回りが良く、支払い時期よりも円安になった際に為替差益がある。
浅草の路地から見えるスカイツリー
(2024.4月 photo by MINORU SATO)