今年になって本格的に始まった

空前のNISAブームを背景に

【NISAで将来の老後資金や

子どもの教育資金を準備する】

という考え方は、今では

多くの人に浸透している

ように感じます。

 

現にNISAを使って、将来の老後資金や

子どもの教育資金を準備することは

金融庁も事例として紹介するくらいで、

「NISA 老後資金」とキーワードで

検索すれば、関連するページが

300万件以上もヒットするほどです。

 

 

出典:金融庁HP

 

しかし、将来の老後資金や

子どもの教育資金を準備することは、

NISAがブームになるずっと以前から

生命保険に加入して

備えることが一般的でした。

 

 

例えば、将来の老後資金であれば、

定年退職後の60歳から受け取れる

年金として個人年金に加入したり、

子どもが大学生になる年齢に合わせて

受け取れる学資保険に加入したり

といった具合に、多くの保険が

月々または毎年コツコツ積み立てて、

【満了時にあらかじめ決まった金額】

を受け取ることができるため、

今も昔も多くの日本人が

保険に加入しているのです。

 

 

それが今では、

NISAブームによって、

多くの人の認識が生命保険から

【NISAで将来の老後資金や

子どもの教育資金を準備する】

と大きく変わってきたのです。

 

 

このような状況の中、

最近になって、保険会社が

販売に力を入れている商品があります。

それが【変額保険】です。

 

 

これは、一般社団法人生命保険業界が

公表している

生命保険の動向(2023年度版)

から引用した情報ですが、

2018年から2022年の5年間で、

多くの生命保険の新規契約数が

横ばいか減少傾向にある中で、

「変額保険」だけが

グイグイと販売件数を

大きく伸ばしているのです。

 

 

 

サムネイル

佐藤実(主人公):そもそも【変額保険】って…。

あまり馴染みのない言葉ですよね?

 

 

実は、変額保険に関して、

多くの人が誤解している

場合があるのです。

 

それは何かというと、

変額保険に加入している人が

  • 自分は死亡保険に入っている
  • 自分の保険は3%または、それ以上で運用されている

といった認識を持って

しまっていることです。

 

 

サムネイル

なぜ、このような認識が

起きてしまうのでしょうか?

 

 

それは、変額保険の仕組みが

大きく関係しています。

 

 

変額保険には、死亡時の保証と

将来の資産形成の機能を

併せ持つ保険として、

販売されているものがあります。

 

そのため、

 

  • 死亡保証が担保されているため、死亡保険である
  • 将来の資産形成の機能を持ち、積み立てたお金が運用されているため、自分の保険は3%または、それ以上で運用されている

 

といった誤解をしてしまうのです。

 

 

 

 変額保険の大きな特徴とは?

 

個人年金や学資保険で

お伝えしたように、

僕たちが考える保険といえば、

満了時の解約返戻金は、

あらかじめ約束された金額が

確実に受け取れるもの

ということですよね?

 

※変額保険は、運用実績によって受け取れる保険金や解約返戻金が変動する保険です。

運用実績がよければ、払込保険料より多くの保険金を受け取れる可能性があります。

一方で、満期保険金や解約返戻金の金額が払込保険料を下回る場合もあります。

 

これはある保険会社の

ホームページの内容を

引用したものですが、

変額保険は満了時の

解約返戻金を受け取る際に、

運用の結果によっては、

満期まで払い込んだ保険料を

大きく下回る可能性すらある

ハイリスクな商品なのです。

 

 

 

 なぜ、「自分の保険は3%または、それ以上で運用されている」と誤解するのか?

 

こちらも、ある保険会社の

ホームページにある

情報を引用したものですが、

保険証券などに例示として

記載されている運用実績を

見てしまうことで、

  • 「自分の保険は3%または、それ以上で運用されている」

と誤解している場合があるのです。

 

 

※契約年齢30歳・男性

保険料払込期間:30年

  月払保険料:①21,840円 

        ②23,800円の場合

 

でもこれ、実はよく見ると、

赤線を引いたように

  • 運用実績(6%、3%、0%、-3%)が保険期間を通して一定に推移したものと仮定して計算したものであり、将来のお支払額をお約束するものではありません。
  • また、上限または下限を示すものではありません(運用実績が年-3%を下回ることもあります)。

 

と書かれています。

 

 

サムネイル

あ、あれ??

 

これって、運用次第で保険期間満了時の解約返戻金がそれまで支払った保険料よりもめちゃくちゃ少ない金額になってしまう可能性があるじゃないですか!?

 

 

つまりこれは、解約返戻金に

最低保証がないということですから、

30年という長い契約期間中に

リーマンショック級の経済危機が訪れて、

世界的に株価が低迷したら、

せっかく将来のためにコツコツと

積み立てた保険料が大きく目減り

してしまう可能性だってあるのです💦

 

実はこれ、意外と知らない

変額保険の大きな誤解なのです!!

 

 

僕はこの事実を知った時に、

将来的に多くの人が

この誤解によって

大きなトラブルに巻き込まれて

しまうと強く思いました!

 

  • 満期の解約返戻金は、もっと高い金額だと思っていたのに全然違った
  • 自分の保険は3%または、それ以上で運用されていると思ったのに…実は、支払った保険料が元本割れしていた

 

 

変額保険は「つみたてNISAと

生命保険のいいとこ取り」

という言葉で説明される

ことがあるそうです。

 

もちろん、向こう30年の間に

運用が上手くいけば、

試算のようにお金が増える

可能性もある一方で、

運用が悪ければ最悪は支払った保険料を

全て失ってしまう危険性だってある

ことには注意が必要です。

 

次回に続く
 
 
みなとみらいエリアにある
交差点での一枚
(2024.1月 photo by MINORU SATO)