カブトムシの話に関連して。




この前、オンライン講座でうちの実家から中継した際、


小学生に、


「このおがくずにカブトムシの幼虫がいるんだよー」って言ったら、


「おがくずって何ですか?」って聞かれたんですよ。


(↑まだ雪が残る時期のおがくず置き場)



まー、今の小学生、おがくずに接することあまりないですよね。


うちの実家




おがくずとは、木を切った時にでる、細かいカスです。



ある意味、『ゴミ』なんですけど、色々と活用されてます。



スーパーで売られているゆりねの周りについてたり。


おがくずは柔らかいので、ゆりねがキズつくのを防ぎます。


また、おがくずは適度に湿気があるので、乾燥したり腐ったりするのを防ぐ効果もあります。




そのほか、昆虫や動物の飼育に使われたり、


固めて『ペレット』と呼ばれるものにして、ストーブの燃料に使われたりします。






また、キノコの栽培に使われることもあります。







おがくずは、木が細かくなったもの。


自然に置いておけば、虫や菌などのさまざまな生き物に食べられて、細かく分解されていきます。


そして、土になります。





もともとは木ですから、有機物がたくさん含まれています。


細かく分解されれば、栄養たっぷりの土になりますので、


次の植物がよく育ちます。




そんなわけで、うちの実家では、おがくずを畑の肥料にしているのです。







でも、おがくずは、おがくずのままでは肥料になりません。


菌や虫に食べてもらって、分解してもらう必要があります。




その辺に積んでおくだけでも分解はされるのですが、それではちょっと効率が悪い。


そこで、実家のおがくずは、実家裏にあるきのこ農家さんから購入しています。



裏のきのこ農家、『内海きのこ園』さん。






おがくずにきのこの菌を植えると、おがくずの中で菌が増殖し、きのこが生えます。


それが、きのこ栽培の方法の一つ、『菌床栽培きんしょうさいばい』。




つまり、きのこを育て終わったおがくず(『廃菌床はいきんしょう』と呼ばれます)には、


すでに菌が一通りついているのです。





そして、そのきのこを育て終わったおがくずは捨てられてしまうので、


それを肥料にすれば一石二鳥!なんてエコロジー。

↑内海きのこ園さんから出てくる、きのこを育て終わったおがくずと、そのおがくずの山。




このおがくずを、畑の一画に積んでおくと、


さらに菌が増え、『発酵』して、分解が進みます。




『発酵』すると、熱を発します。暖かくなるのです。


その温度は、真冬でも50℃近くまで上がることも。


そして、その温かい温度、分解が進んだ柔らかいおがくずに惹かれてやってくるのが、


カブトムシのお母さんなんです。


(ここでようやくカブトムシにつながったー!)





実際、枯れた木からカミキリムシ、クワガタ、カブトムシの幼虫を見つけたことがありますが、


枯れたばかりでまだ硬い木にはカミキリムシの幼虫が、


ボロボロになってちょっと柔らかくなった木にはクワガタの幼虫が、


かなり分解されてフカフカになった木にはカブトムシの幼虫が、


それぞれ住んでおりました。



虫の種類によって、好みの木の硬さがあるようです。



(ちなみに、カミキリムシの幼虫は美味しいらしいよ。食べる勇気ないけど。)



カブトムシの幼虫は、分解の進んだ柔らかくて暖かい木が大好き。

それを見越して、カブトムシのお母さんは赤ちゃんが住みやすい場所に卵を産みます。


その卵が冬を越すと、まるまると太った幼虫になり、

初夏にはサナギから成虫へと成長します。



そんな、成虫になる直前のカブトムシの幼虫を掘り起こしちゃうのが、

『カブトムシの幼虫掘り』なのです。





(↑2021年の様子)



ご自身でカブトムシの幼虫を探す際も、


『木の硬さ』をぜひ参考にしてみてくださいねー。