・「結婚は家と家との結び付き」というが、
そんなもの「個人間の問題でしかない」というのが、私のスタンスだ。
・まあ、だから「結婚」と言うより、「恋愛」に過ぎない。
・しかし、恋愛で良い。
(私はそもそも「恋愛云々」に興味が無いのではあるけれど)
・しかし、キリスト教でも「結婚」は秘跡の一つだ。
・そこには色々な意味があるが、
少なくとも「日本的な家と家との結び付き」を、特別強く念頭に置いたものではなかろう。
【神秘】
・「永遠」とか「神秘」ということが強いのではないか。
・福田恒存が「恋愛と人生」のなかで、
ある女に恋をしたとして、「あれこれ理由を挙げて、だから好き」というのは如何か。
・というのは、それは「相手」と言うより、「自分の思う相手」を愛しているに過ぎない。
・そうではなくて、「汲めども尽きぬ神秘の源泉」として、
ある一人の人を愛すること、そこに「結婚の秘儀」があるのだろう、と言っていた。
・私はそう思う。
・お伽噺に出てくるリンゴが金色に光っているのは、
リンゴが本来輝いていることを、思い出させるためである。
・人は、繰り返しのうちに、そのことを忘れてしまうのだ。
・しかし、リンゴは相変わらず、ひとつひとつ光っている。
・神はひとつひとつのリンゴを、飽きることなく、驚き愛でているのだ。
・ある花が黄色だとして、その花が黄色く咲くことは驚きだ。
・黄色に咲くのは、「偶然」に過ぎないからだ。
・もしかしたら、次に咲く時は、赤く咲くかもしれない。
・それは誰にもわからない。
・明日には、太陽が西から昇るかも知れぬのである。
・「それはそういうものとして当然」ということになってしまえば、
全てのものは、結局「当たり前のもの」として、驚きを失ってしまう。
・そうではなくて、刻一刻「奇跡」なのだ。
・すべてのものは、「神秘」なのだ。
・ある人は、目の前に広がる神秘を驚きに満ちて体験する。
・「結婚」とは、「ある一人の人」が、実は「神秘的で奇跡的な存在であり続ける」ことを
知らせるためにあるのだろう。
・「生涯愛せますか」と神父は問う。
・その問いは実は、刻一刻、「神秘と奇跡を感じられますか」という問いなのだ。
・「はい、愛せます」と答える。
・それは、「はい、感じることができます」と答えていることになる。
・それが「結婚」。
・神秘と奇跡の福音。